“城址”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しろあと51.7%
じょうし41.4%
じやうし3.4%
じようし3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
城址しろあとの森が黒く見える。沼がところどころ闇の夜の星に光った。あしがまがガサガサと夜風に動く。町のあかりがそこにもここにも見える。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
この書の中にある小諸城址じょうしの附近、中棚なかだな温泉、浅間一帯の傾斜の地なぞは君の記憶にも親しいものがあろうと思う。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私の家は代々備前びぜん上道じやうたう浮田うきた村の里正を勤めてゐた。浮田村は古くぬま村と云つた所で、宇喜多直家うきたなほいへ城址じやうしがある。其城壕しろぼりのまだ残つてゐる土地に、津下氏は住んでゐた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
然も詩趣ゆたかにして、そぞろにペラスゴイ、キュクロプスの城址じようしを忍ばしむる堅牢けんろうの石壁は、かの繊弱の律に歌はれ、往々俗謡に傾ける当代伝奇の宮殿をくだかむとすなり。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)