“摧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くだ75.4%
くじ18.8%
くだけ2.9%
くだき1.4%
しだ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜半よなかに眼を覺すと、時々東のはづれで、附添つきそひのものが氷をくだく音がした。其の音がむと同時に病人は死んだ。自分は日記に書き込んだ。
変な音 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この冷やかな調子と、等しく冷やかな反問とが、登場の第一歩においてすでにお延の意気込をうらめしくくじいた。彼女の予期ははずれた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わがをか龗神おかみひてらしめしゆきくだけ其処そこりけむ 〔巻二・一〇四〕 藤原夫人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかれども信の心にこんする、深きものあり、浅きものあり。深きものは動し難く、浅きものはゆらやすし。いま動し難きものにつきてこれを蕩揺とうようせば、幹折れ、枝くだきて、その根いよいよまんせん。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
右近うこんの馬場を右手めてに見て、何れ昔は花園はなぞのの里、霜枯しもがれし野草のぐさを心ある身に踏みしだきて、太秦うづまさわたり辿たどり行けば、峰岡寺みねをかでらの五輪の塔、ゆふべの空に形のみ見ゆ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)