“蕩揺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうよう77.8%
たうえう11.1%
たゆたひ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
毎日硝子戸ガラスどの中にすわっていた私は、まだ冬だ冬だと思っているうちに、春はいつしか私の心を蕩揺とうようし始めたのである。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこは水も深く大石が幾つもならんでゐて、激して泡立つた流れの余勢が、石と石との間で蕩揺たうえうしたりうづを作つたりしてゐた。そしてさういふ石陰の深みの一つに赤蛙は落ち込んでゐるのだつた。
赤蛙 (新字旧仮名) / 島木健作(著)
海はなが身の鏡にて、はてなき浪の蕩揺たゆたひに、なれはながたま打眺む
海の詩:――人と海―― (新字旧仮名) / 中原中也(著)