“蕩漾”の読み方と例文
読み方割合
とうよう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
らんとしてかがやくこと落日の赤き程度にして、周囲暗黒なるがために特に燦然たり、他の火は水平につらなりて蕩漾とうようするも、この火球は更に動かず。
地震なまず (新字新仮名) / 武者金吉(著)
私は眼がうるみました。体も震え始めました。苦痛とも歓喜ともつかない感情は、用捨ようしゃなく私の精神を蕩漾とうようさせてしまいます。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
余は朝からしばしばこの状態にった。午過ひるすぎにもよくこの蕩漾とうようあじわった。そうしてめたときはいつでもその楽しい記憶をいだいて幸福の記念としたくらいであった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)