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蕩漾
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とうよう
ふりがな文庫
“
蕩漾
(
とうよう
)” の例文
爛
(
らん
)
として
輝
(
かがや
)
くこと落日の赤き程度にして、周囲暗黒なるがために特に燦然たり、他の火は水平に
連
(
つらな
)
りて
蕩漾
(
とうよう
)
するも、この火球は更に動かず。
地震なまず
(新字新仮名)
/
武者金吉
(著)
私は眼がうるみました。体も震え始めました。苦痛とも歓喜ともつかない感情は、
用捨
(
ようしゃ
)
なく私の精神を
蕩漾
(
とうよう
)
させてしまいます。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
余は朝からしばしばこの状態に
入
(
い
)
った。
午過
(
ひるすぎ
)
にもよくこの
蕩漾
(
とうよう
)
を
味
(
あじわ
)
った。そうして
覚
(
さ
)
めたときはいつでもその楽しい記憶を
抱
(
いだ
)
いて幸福の記念としたくらいであった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼等は小鳥の
囀
(
さえず
)
るように、口々に彼を呼びかけた。その声はほとんど宿命的に、
折角
(
せっかく
)
橋を渡りかけた素戔嗚の心を
蕩漾
(
とうよう
)
させた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蕩
漢検準1級
部首:⾋
15画
漾
漢検1級
部首:⽔
14画
“蕩漾”で始まる語句
蕩漾周流