“囀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さえず68.8%
さへづ15.6%
さえ5.2%
さえずり3.0%
てん2.2%
さへ1.7%
さへづり0.9%
さいず0.4%
さえづ0.4%
さえづり0.4%
ささや0.4%
さへず0.4%
サヘヅ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
石橋を渡る駄馬の蹄の音もした。そして、満腹の雀はんだ電線の上で、無用なりを続けながらも尚おいよいよれて落ちついた。
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
剪刀の刃音が頭の天辺で小鳥のやうにつてゐるのを聞きながら、うと/\としてゐると、突如に窓の隙間から号外が一つ投げ込まれた。
三寸の緑から鳴きはじめた麦の伶人の雲雀は、麦がれるぞ、起きろ、急げと朝未明からずる。折も折とて徴兵の検査。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
末造はその話の内容を聴くよりは、に飼ってある鈴虫の鳴くのをでも聞くように、可哀らしいの声を聞いて、覚えず微笑む。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
金粉の日をあびて小鳥が飛びかい、樹上に胸をふくらまして千する。万物がみないきいきとよみがえったのだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
七月が來て觀音樣の晩になれば、町のわかい娘たちはいつも奇麗な踊り小屋をへて、華やかな引幕をひきその中で投げやりな風俗の々とづりかはしながら踊つた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
の歌である。島崎氏の歌は森の中にこもる鳥の歌、その玲瓏の瑞樹木末まで流れわたつて、若葉の一つ一つを緑の聲にかさずば止まなかつた。
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
「メネーメネー。サンキュー。ホワ。ユウワ。カインド」と片言の英語をりながらチョイとつまんで
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
が、しみはしもない。たくなると、一あたりがしんとしてしまつた。ああ、かさだらう。この山陰には、小鳥りにない。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あの明るい五月の新緑! 何も彼も新しく生き返つた様なあの日の光! それに林の中に透き通る様な駒鳥の高い! 実際、春の温泉場としては、あそこに越すところはない様な気がした。
女の温泉 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
ヂュリ うとや? はまだきゃせぬのに。ってござるおえたは雲雀ではなうてナイチンゲールであったもの。夜毎彼處柘榴て、あのやうにりをる。
勧学院蒙求ル」というがありました。今でいえば「大学の雀マルクスを囀る」といったようなものです。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)