“木末”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こずゑ40.9%
こずえ27.3%
こぬれ18.2%
コヌレ9.1%
うら4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まことの歌である。島崎氏の歌は森の中にこもる鳥の歌、その玲瓏のさへづり瑞樹みづき木末こずゑまで流れわたつて、若葉の一つ一つを緑の聲にかさずば止まなかつた。
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
棕櫚しゅろの木はつい硝子ガラス窓の外に木末こずえの葉を吹かせていた。その葉はまた全体もらぎながら、こまかにけた葉の先々をほとんど神経的にふるわせていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
木末こぬれの上」は、繁っている樹木のあたりの意、万葉の題には、「時にのぞめる」とあるから、或るおりに臨んで作ったものであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あしびきの山の木末コヌレのほよとりて、かざしつらくは、千年ぐとぞ(万葉巻十八)
板塀の上に二三尺伸びている夾竹桃きょうちくとう木末うらには、くものいがかかっていて、それに夜露が真珠のように光っている。つばめが一羽どこからか飛んで来て、つと塀のうちに入った。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)