“機”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はた23.8%
しお18.3%
はず14.5%
おり14.1%
7.4%
はずみ7.2%
をり3.6%
しほ2.9%
とき1.5%
はづ1.3%
しかけ0.6%
しを0.6%
ばた0.6%
からくり0.4%
きっ0.4%
きっかけ0.4%
はづみ0.4%
ひょうし0.4%
0.2%
きつかけ0.2%
きツ0.2%
すき0.2%
0.2%
とたん0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はたと、これに空想の前途ゆくてさえぎられて、驚いて心付こころづくと、赤楝蛇やまかがしのあとを過ぎて、はたを織る婦人おんな小家こいえも通り越していたのであった。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われを呼びまされたように、お通は眼をやって、霧のかかっている峰のいただきを仰いでいたが、そのしおに武蔵は、つと彼女の側を離れ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、易々やすやすと斬り得る足もとの敗者を斬らずに前髪の美少年は、身をかわしたはずみにはずみを加えて、ぶうんと横側の敵へ当って来た。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、ふとしたおりに、彼はその大きな柳の樹の根元の草叢くさむらの中に雲雀ひばりの巣を見つけ出したのであった。彼は躍り上るようにして喜んだ。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
ぼくおもふに、いつたい僕等ぼくら日本人にほんじん麻雀マージヤンあそかた神經質しんけいしつぎる。あるひ末梢的まつせうてきぎる。勿論もちろんあらそひ、とらへ、相手あひてねら勝負事しようぶごとだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
お岩はそれを取られまいとして争っているうちに、どうしたはずみか刀が飛んで欄間の下へ突きささった。お岩はよろよろとなった。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
つかず逃たりしが惡者共は何所迄もと猶も間近まぢかく逐來おひきたる故に半四郎は如何にもして逃行んとするをり幸ひ脇道わきみちの有しかば身をひるがへして逃込を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いかにとまをせば彼等かれら早朝まだきときさだめて、ちよ/\と囀出さへづりいだすをしほ御寢室ごしんしついでさせたまはむには自然しぜん御眠氣おねむけもあらせられず、御心地おんこゝちよろしかるべし
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たとえば、そよそよと吹く風の、いつ来て、いつんだかを覚えぬがごとく、夕日の色の、何のときに我がそでを、山陰へ外れたかを語らぬごとく。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ビスマルクが或時仲善なかよしの友達と連立つて猟に出た事があつた。すると、うしたはづみか友達は足を踏み滑らして沼地ぬまぢはまつた。
之れ必ずしかけあるべし、我徒らに力自慢を好むにあらざるも、心に期する処あり低能児を懲らしくれんと、洗場の帰りを粧ひ其米屋の前に立ち、ヤヲラ米俵に手をかけ、一声叫ぶと見れば
初代谷風梶之助 (新字旧仮名) / 三木貞一(著)
隱居の顏に、濃い疑ひの色の浮んだのをしをに、八五郎を促して、平次は二階に登つて見ました。
母親は筒袖つゝそでを着て、いざりばたをチヤンカラチヤンカラ織つてた。大名縞だいめうじまおさの動くたびに少しづゝ織られて行く。裏には栗のが深いかげをつくつて、涼しい風を絶えず一しつに送つて来る。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
しかしながらこの厳しい、堂々として構へが凡てひとつのからくりの上に出来てゐるやうに私には感じられるのです。
話にきっかけをつけるのではない。ごめん遊ばせと、年増の女中が、ここへ朱塗の吸物膳に、胡桃くるみと、つぐみ蒲鉾かまぼこのつまみもので。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お作と嫂の茶のへ入って来る気勢けはいがすると一緒に、お国も茶の室へ入って来た。それをきっかけに、嫂が、「どうもお邪魔を致しました……。」と暇を告げる。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
加之女の匂……しつこい油の匂とごツちやになツたやうな一種動物性の匂が、何かのはづみに輕く鼻を刺戟しげきする。其にもまた心が動く。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
と云って、二間ばしごを持ち出して新三郎のうちの裏窓の所へかけ、顫い顫いあがってお札を引剥ひっぺがしたひょうしに、足を踏みはずして畑の中へ転げ落ちた。
円朝の牡丹灯籠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
欣々女史も鏡花会にはいって、仲間入りの記念しるしにと、帯地おびじとおなじにらせた裂地きれじでネクタイを造られた贈りものがあったのを、幹事の一人が嬉しがって
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
その客が帰つたのをきつかけに、融もホテルへ帰らうとした。
折鞄 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
親仁おやぢ差心得さしこゝろえたものとえる、きツかけに手綱たづないたから、うまはすた/\と健脚けんきやく山路やまぢげた、しやん、しやんしやん、しやんしやん、しやんしやん、——眼界がんかいとほざかる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たくみにすきを窺へるナヴァルラの者、そのあしうらをもてかたく地を踏み、忽ち躍りてをさを離れぬ 一二一—一二三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
御頼み申すと云にぞお勇は彌々いよ/\にのり然樣さうならば先方むかうはなしてウンと云時は御變替へんがへなりません其所そこを御承知で御座りますかとねんおせば重四郎何が扨武士に二ごんは御座りませんと云ふにぞお勇はそれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
痛いからバラリと放すところをば、とたんをうたしてドンと仙太郎を投げる。
イツセリ。天ハ我ヲ利セズ。愚戦グセン固着コチヤクシテ、愚ヲ重ネンヨリハ、カズ、一タビ退イテ、再起ノ日ヲ計ランニハ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)