“をり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヲリ
語句割合
48.5%
13.9%
10.3%
機会7.3%
6.1%
機會4.2%
1.8%
1.2%
1.2%
1.2%
時機1.2%
0.6%
0.6%
0.6%
折箱0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
云掛る人など有て五月蠅うるさくも腹立敷だたしきをりも有ども何事も夫の爲且はなさけある亭主への恩報おんはうじと思へば氣を取直とりなほして宜程よきほどにあしらひつゝ月日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
襦袢じゆばんや何かを縫つたり又は引釈ひきときものなどをして単調な重苦しい時間を消すのであつたが、然うしてゐると牢獄のやうなをりのなかにゐる遣瀬やるせなさを忘れて
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
されどこの王國が民を得たるはまことの信仰によるがゆゑに、これに榮光あらしめんため、これの事を語るをりの彼に來るをむべとす。 四三—四五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こんなに沢山言語を知つてゐては、現世このよでは滅多に使ふ機会をりもなからう、いつそ地獄へでもちたら定めし晴々するに相違なからうと思はれる程だつた。
二三日の間は大臣をも、たびの疲れやおはさんとてあへとぶらはず、家にのみ籠りをりしが、或る日の夕暮使して招かれぬ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「ぢや、鹿爪しかつめらしくすのもなんだかめうだから、其内そのうち機會をりがあつたら、くとしやう。なに其内そのうちいて機會をり屹度きつとるよ」とつてばして仕舞しまつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
見よ、にがやみをり街衢ちまたにはよどみとろげど
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
此頃読んだ御経の中につく/″\成程と感心したことのある、聞いて呉れ此様いふ話しぢや、むかしある国の長者が二人の子を引きつれて麗かな天気のをり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
たとへば羊の、一づつ二づつまたは三づつをりをいで、殘れるものは臆してひくく目と口を垂れ 七九—八一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
カピ長 なん被言おしゃる! まさかに然程さほどではない、まさかに。リューセンシオーの婚禮以來こんれいいらいぢゃによって、すぐはなさきにペンテコスト(祭日)がたとして、二十五ねん、あのをり被假面かぶったのぢゃ。
さとしもとより築山つきやまごしにをがむばかりのねがひならず、あはれ此君このきみ肺腑はいふりて秘密ひみつかぎにしたく、時機をりあれかしとつま待遠まちどほや、一月ひとつきばかりをあだくらしてちかづく便たよりのきこそは道理だうりなれ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ロミオ マーキューシオーどの、ゆるしてくだされ、じつ是非ぜひない所用しょようがあったからぢゃ。あんなをりには、つい、その、れいぐることがあるならひぢゃ。
マーキュ ふん、あんなをりには、足腰あしこしかたちがふといふのぢゃな?
二月にいたりても野山一面の雪の中に、清水ながれは水気すゐきあたゝかなるゆゑ雪のすこしきゆる処もあり、これ水鳥のをりる処也。
かくよく廿二日のあさ嘉川家の人々藤三郎のみえざるを不審ふしんに思ひし所藤五郎を入れ置きしをりやぶれ其上伴建部等も居らざれば大いに驚きさわ邸内やしきうちの者共を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此二このふたつ悲劇ひげきをわつて彼是かれこれするうち大磯おほいそくと女中ぢよちゆうが三にんばかり老人夫婦としよりふうふ出迎でむかへて、その一人ひとりまどからわたしたつゝみ大事だいじさうに受取うけとつた。其中そのなかには空虚からつぽ折箱をりも三ツはひつてるのである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わが蒼ざめて裸なる二の魂の中にみし怒りには及ばじ、彼等は恰もをりを出でたる豚の如く且つ噛み且つ走れり —二七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)