をり)” の例文
し出たるのち淨水てうづこまをりから斯々かく/\の娘を見染ぬ世に二個となき美人なればそゞろに戀しく思ひつゝ此美婦人このびふじんくらぶれば櫻もいかで物かはと花見を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此頃読んだ御経の中につく/″\成程と感心したことのある、聞いて呉れ此様いふ話しぢや、むかしある国の長者が二人の子を引きつれて麗かな天気のをり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
小西屋へやりテレメンテーナの事を言せにはか破談はだんに成たる事是等は絶て知ざりしが最前さいぜん和吉と云る小僧がとなりのお金のもとへ來り聞に參し其をり箇樣々々かやう/\の事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取り分け職人仲間の中でも世才に疎く心好き吾夫うちのひと、腕は源太親方さへ去年いろ/\世話して下されしをりに、立派なものぢやと賞められし程確実たしかなれど、寛濶おうやう気質きだて故に仕事も取りはぐり勝で
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
をさめずやとかゝをりにも老功なれば物に動ぜず理非りひ明白めいはくのべさとせし父が言葉ことばにお光はやう/\承知してやいばのり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)