“寛濶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんかつ75.0%
くわんくわつ10.7%
おうやう3.6%
おうよう3.6%
かんくわつ3.6%
くわんたつ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なんの、なんの、丞相の寛濶かんかつな度量は、何ものにも、くらべるものはありません。誰よりも、それがしが深く知っておるつもりです」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
友達ともだちおほかれ寛濶くわんくわつうらやんだ。宗助そうすけ得意とくいであつた。かれ未來みらいにじやううつくしくかれひとみらした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
取り分け職人仲間の中でも世才に疎く心好き吾夫うちのひと、腕は源太親方さへ去年いろ/\世話して下されしをりに、立派なものぢやと賞められし程確実たしかなれど、寛濶おうやう気質きだて故に仕事も取りはぐり勝で
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ここにいて目に見ねばこそ威張って居らるれ、御開帳ののぼりのように頭を振って居るさまを見られたらなんぼ十兵衛殿寛濶おうような気性でも、お気の毒ながら魂魄たましいがふわりふわりとならるるであろう
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
朱君は寛濶かんくわつな微笑を浮べる。流行と優しい心、と、この二つを二つながら、満足させた人の微笑である。鳥も外出が必要ではないか?
パステルの竜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その頃流行つた風俗ですが、一くわんの尺八を腰に差して、寛濶くわんたつな懷ろ手、六法を踏む恰好で歩くのは花道から出て來る花川戸の助六や御所の五郎藏と通ふものがあります。
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)