“幟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のぼり95.1%
はた2.8%
のぼ1.4%
0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むしろを垂れた小屋のまえには、弱々しい冬の日が塵埃ほこりにまみれた絵看板を白っぽく照らして、色のさめたのぼりが寒い川風にふるえていた。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
のぼりと馬が先に歩き出すと、その後から大勢の者が、かいをふいたり、かねを叩いたり、笛太鼓も入れて、はやし立てて行くのだった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
氏神うじがみである白山しらやま神社の境内には、「四海泰平」「徳光遍世」などと書かれた白いのぼりが、七月の風に、パタパタと鳴っている。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
三大節、歌留多かるた会、豆撒き、彼岸、釈迦まつり、ひなのぼりの節句、七夕の類、クリスマス、復活祭、弥撒ミサ祭なぞと世界的である。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
かなり遠方からやつて来たといふ栗毛の馬とり合つたあげく、相沢の馬は優勝をち得て、賞品ののぼりと米俵とを悠々と持つて行つた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
またこの寺には一切経がないということを聞いて法然は自分所持の一切経一蔵を施入した処、住僧達喜びの余り老若七十余人華を散し、香をたき、はたを捧げ、きぬがさを揷してお迎えをした。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
手々てんでに白張提灯を持ったり、紙のはたを握ったり、炬火たいまつをとったりした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ひどい寄席で、薄汚れたはたが一本、潮風に吹かれて鳴っていた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
場所はN村の家だ。日が解つてゐないので何時来られても好いやうに毎朝テーブルを飾り代へさせてゐるんだよ、妻は嘗てない楽しみだと云つて切りに喜んでゐるし、またそのことを、あの他人ひとの云ふことは何でも双手をあげて賛成する村長に話したら村の栄えのために村の客として迎えよう、はたをつくり
円卓子での話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
都内を歩き廻って見ても鯉のぼりなぞ少なくなった。我々子供時分は三間、五間という長さの鯉幟りと吹き流しを自慢で屋根へ上げた。真鯉という黒い鯉の下へ緋鯉を追掛け鯉として必ず上げた。
昔の言葉と悪口 (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
主人の子供の節句に飾る、のぼり絵を頼みに来たのである。
北斎と幽霊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
翌日、李陵りりょう韓延年かんえんねんすみやかにくだれと疾呼しっこしつつ、胡軍の最精鋭は、黄白のを目ざして襲いかかった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
漢軍の中心をなすものは、将軍および成安侯韓延年の率いる各八百人だが、それぞれ黄と白とのをもって印としているゆえ、明日胡騎こきの精鋭をしてそこに攻撃を集中せしめてこれを破ったなら、他は容易に潰滅かいめつするであろう、云々うんぬん
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)