“氷室”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひむろ83.3%
ヒムロ10.0%
こおりむろ3.3%
ひょうしつ3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ほんに、今日こそ、氷室ひむろ朔日ついたちじゃ。そう思う下から歯の根のあわぬような悪感を覚えた。大昔から、暦はひじりあずかる道と考えて来た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
コヨミの事を言はれて、刀自はぎよつとした。ほんに、今日こそ、氷室ヒムロ朔日ツイタチぢや。さう思ふ下から齒の根のあはぬやうな惡感を覺えた。大昔から、暦はヒジリの與る道と考へて來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
河岸の氷室こおりむろについて折れ曲ったところに、細い閑静な横町がある。そこは釣好きな田辺の小父さんが多忙いそがしい中でもわずかなひまを見つけて、よく釣竿を提げて息抜きに通う道だ。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ある町に氷と書いた旗の出ている家があったので、彼はそこで車を降りて、ツカツカと家の中へ這入って行った。みせに青ペンキを塗った大きな氷室ひょうしつが出来ていた。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)