“南風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みなみ33.3%
なんぷう19.0%
みなみかぜ16.7%
はえ16.7%
ハエ4.8%
かけつ2.4%
みんなみかぜ2.4%
アウストロ2.4%
フェーン2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
九月朔日ついたちの朝は、南風みなみ真当面まともに吹きつけて、縁側の硝子ガラス戸を閉めると蒸暑く、あけると部屋の中のものが舞上って為方しかたがなかった。
九月一日 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
土手どてしのたかさにえる蜀黍もろこし南風なんぷうけて、さしげたごとかたちをなしてはさきからさきへとうごいて、さかのぼ白帆しらほしづかに上流じやうりうすゝめてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
海の南風みなみかぜをうけている浜松の夏は、日盛りでもどこか磯風の通う涼しさがありましたが、夜は海の吐き出す熱気ねっきのために、却ってむし暑い時もあるのでした。
虫干し (新字新仮名) / 鷹野つぎ(著)
南風はえの時は何処、東風こちでは釣れぬ、そよそよ北風がよい、その他雨上り、水の濁り、曇り工合、又朝夕のマヅメ時——といつた状況が会得されてくる。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
離島の大女君の中、伊平屋の阿母加那志につぐものは、久米島の君南風キミハエである。近代、きんばい・ちんべいなど言ふ。南風ハエは、日本語の南又は南風を意味する。
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
南風かけつ光の網織れば、 ごろろと鳴らす碍子群
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
霧島はただにいつくしここにして南風みんなみかぜに晴れゆきしとき
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
七のニンフェは北風アクイロネ南風アウストロも消すあたはざる光を手にし、彼のまはりに身をもてまろきかこひをつくれり 九七—九九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ねえ法水様、北イタリー特有の南風フェーンが吹き出す頃になると、チロルの聯隊では、俄かに傷害沙汰が繁くなるとか申します。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)