“白帆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しらほ89.7%
はくはん10.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、ありがたいことには、海べに立って、沖の方をながめていますと、一そうの白帆しらほの、こちらへ近づいて来るのが見えました。
郊外かうぐわい際涯さいがいもなくうゑられたもゝはなが一ぱいあかくなると木陰こかげむぎあをおほうて、江戸川えどがはみづさかのぼ高瀬船たかせぶね白帆しらほあたたかえて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すでに水平線上すゐへいせんじやうたかのぼつた太陽たいよう燦爛さんらんたるひかりみづおとして金波きんぱ洋々やう/\たるうみおもには白帆はくはんかげてんてんそのあひだ海鴎かいおう長閑のどかむらがんで有樣ありさまなどは自然しぜんこゝろさはやかになるほど
されどここに注意すべきことあり。広重は歌川豊広とよひろの門人にして人物画をもよくしたるにかかはらず、隅田川の風景を描くにさへひて花見の喧騒けんそうを避け、蘆荻ろてき白帆はくはんの閑寂をのみ求めたる事なり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)