“白痴”のいろいろな読み方と例文
旧字:白癡
読み方(ふりがな)割合
ばか29.5%
こけ26.2%
はくち22.1%
たわけ12.3%
たはけ3.3%
あはう0.8%
あほう0.8%
うつ0.8%
うつけ0.8%
おめでた0.8%
(他:3)2.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“白痴”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸9.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
後に残った大物主おおものぬしが、いかに憮然とし呆然としたかは、説明するには及ぶまい。彼は白痴ばかのように立っていた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先づ第一番に白痴ばかの猪之助——この男は取つて二十九の良い若い者だが、釘が一本足りないばかりに、まともな仕事が出來ねえ。
我ながらこの間抜々々した恰好、白痴こけが虫歯を押さえている手付きにもさながらで、ほとほと自分がいやになってきた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
大袈裟おほげさで、白痴こけおどかしな正面から入るよりは、搦手からめてから攻めた方が、この城は樂に落せるやうな氣がしたのです。
さもなくては、その時、日吉が取った行動は、余りに豪胆ごうたんすぎるし、白痴はくち所作しょさというしかなかった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二十五六の立派な恰幅かつぷくですが、生れ乍らの白痴はくちで、する事も、言ふ事も、皆んな定石がはづれます。
「茸だと……これ、白痴たわけ。聞くものはないが、あまり不便ふびんじゃ。氏神様のお尋ねだと思え。茸が婦人おんなか、おのれの目には。」
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「二年越行儀作法を仕込んで居るのに、まだ武家の家風を呑込のみこめぬとは、何んとした白痴たわけだ。裸体で碓氷の山の中で暮した時とは違う」
裸身の女仙 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
浮木ふぼくをさがす盲目めくらかめよ、人参にんじんんでくびく〻らんとする白痴たはけもの
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
わからんかい、白痴たはけめが。)と、ドンとむねいて、突倒つきたふす。おもちからは、磐石ばんじやくであつた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
椽側えんがは白痴あはうたれ取合とりあはぬ徒然つれ/″\へられなくなつたものか、ぐた/\と膝行出いざりだして
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白痴あはうなさけないかほをしてくちゆがめながらかぶりつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白痴あほうはどんよりした目をあげて膳の上をめていたが、
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
返答を聞きたいと云われるなら甚五衛門しかと申し上げるによって、忘れずに殿に申し伝えられい——我らが主人義明公は、本来馬鹿者ではござらぬが魔性の女に魅入られて近来白痴うつけになり申した。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それを再び使者をもって我らに強制なされようとはいよいよもって白痴うつけな振る舞い。ただただ呆れるばかりでござる。『きみ臣を視ること犬馬の如くんば臣君をみること国人の如し』と既に孟子も申しておる。されば我らも義明公を主君と思わぬばかりでなく仇敵の如く思いおる。仇敵に仕える汝ら二人、首打ち落とすが本来なれど上使と名乗る名に免じて一命だけは助けてくれよう。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「よも、白痴うつけではあるまいに。ジロジロと、不気味な奴だ」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よし。そいつは有難い。依頼たのみというは他でもない。お前はそういう人間だから——平ったく云やあ白痴おめでたいから皆の者が油断してどんな所へはいって行こうと叱る者もなけりゃ怪しむ者もない。そこがこっちの付け目なのだが、つまり吟味所へ忍び込んで、オースチン老師の絵図面を……」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『何うも驚きました。——然し何うも、郡視学も郡視学ではありませんか? ××さんにそんな莫迦な事のあらう筈のない事は、いやしくも瘋癲ばか白痴きちがひでない限り、何人なにびとの目も一致するところです。たとへそんな噂があつたにしろ、それを取上げて態々わざわざ呼び出すとは………』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「さればさ、城下の者が板女の噂をしておるにつけ込んで、人をもてあそぼうとする白痴しれもの所為しわざかも知れませんぞ」
女賊記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
侍「イヤ余程白痴たわけた奴だ、いて斬られたいというならば斬って遣る」