“しれもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
曲者30.6%
痴者16.7%
白徒13.9%
痴漢9.7%
痴人2.8%
好色漢2.8%
巧者2.8%
悪徒1.4%
惡漢1.4%
佞者1.4%
兇徒1.4%
悪漢1.4%
悪物1.4%
惡漢者1.4%
横着者1.4%
狂人1.4%
狂妄1.4%
癡人1.4%
白物1.4%
白痴1.4%
白痴者1.4%
白者1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは存外、甲羅をへた曲者(しれもの)、なかなか油断はなりません。——金吾はおぼえず杖に仕込んである了戒をにぎりしめてそう思う。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
是が彼の最初の失敗で、学校側の人達は佐藤を忘恩の痴者(しれもの)と詈(ののし)った。斯ういう悪声は漸(ぜん)を追うて一般に拡がるものである。
しかるに彼はこの志士が血の涙の金を私費(しひ)して淫楽(いんらく)に耽(ふけ)り、公道正義を無視(なみ)して、一遊妓の甘心(かんしん)を買う、何たる烏滸(おこ)の白徒(しれもの)ぞ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
黙れ痴漢(しれもの)! 無礼の痴漢! お吉なんどとこの婦人を、呼びすてにする無礼無礼! ……諏訪の湖畔で汝のために、斬り立てられてこの拙者、湖に落ちたを
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
浅黒いながら渋気の抜けたる顔にかかれる趣きは、年増嫌(としまぎら)いでも褒(ほ)めずにはおかれまじき風体、わがものならば着せてやりたい好みのあるにと好色漢(しれもの)が随分頼まれもせぬ詮議(せんぎ)を蔭(かげ)ではすべきに
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と中島さんも巧者(しれもの)、あわよくば礼儀丈け尽して逃げ出そうとする。
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
庫裡(くり)の、上りがまちに、腰を下ろして、いずれ、悪徒(しれもの)らしいかごかきを相手に、これも寒さ凌(しの)ぎの、冷酒をかぶっていた、がに股の吉が——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
が、すでに魂魄(こんぱく)を地獄の闇に投げ入れてしまった二人の悪徒(しれもの)、そのおもかげを見わけることが出来たかどうか?
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
見定(みさだ)めざりしは殘念(ざんねん)なれども江戸の中にさへ居らば尋ぬるにも便(たよ)りよし然(さり)ながら彼奴(かやつ)も惡漢(しれもの)なれば其方と面(おもて)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
學び得て覺えある惡漢(しれもの)なれ共不意(ふい)と云多勢(たぜい)にて押伏(おしふせ)られし事故汚面々々(をめ/\)と召捕(めしとら)れけり斯て又友次郎は其朝馬喰町の旅宿を曉(あけ)寅刻(なゝつ)に立出て板橋の方へ到(いた)り吾助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
嫁にと強談(ごうだん)致してまいった奴じゃ。それを手きびしく刎(は)ねつけられたので、さてこそ左様な狼藉を加えたのであろう。己(おの)れ憎(にっ)くき佞者(しれもの)め、隣藩の指南番とて用捨なろうか
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
通信の安固と秘密。之がなくなつて誰か日本を文明と云はうぞ。あいつは文明を破壊する兇徒(しれもの)だ。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
けれどもお前も知っている通りあの如来衛門の悪漢(しれもの)めは、私にとっては商売の敵じゃ! 何故(なぜ)かというにあの男は、自分が男を売りたさに、達者(だてしゃ)だなどと云われたさに
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
オヽ其男御眼にかゝろうと珠運立出(たちいで)、つく/″\見れば鼻筋通りて眼つきりゝしく、腮(あぎと)張りて一ト癖確(たしか)にある悪物(しれもの)、膝(ひざ)すり寄せて肩怒らし
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
謂(いは)れ無く撲殺(うちころ)し村方を逐轉(ちくてん)して江戸へ出小川町竹田長生院方へ奉公に住込(すみこ)み奉公中竊鼠々々(こそ/\)物を盜(ぬす)み溜(ため)其後麹町へ醫業を開き一時僥倖(さいはひ)を得ると雖も忽(たちま)ち病家(びやうか)も無なりしより惡漢者(しれもの)を集(あつ)めて博奕宿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
げに横着者(しれもの)よ鵙の子よ
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
又狂人(しれもの)よという者は地獄の火に干るべしとある(馬太(マタイ)伝五章二十二節)即ち「我れ汝等に告げん、すべて人の言う所の虚しき言は審判(さばき)の日に之を訴えざるを得じ」
どうぞ、これより以上(うえ)に懺悔することを、おゆるし下さい。私たち二人はフカの餌食になる価打(ねうち)しか無い、狂妄(しれもの)だったのですから……。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
されど我が知らぬ猶太の翁のかた持ちて、かの癡人(しれもの)と爭ひしも、おなじ物ずきにやあらん。
恐ろしき眼(まなこ)を見張り、「爾は昨日黒衣がために、射殺されたる野良犬ならずや。さては妄執(もうしゅう)晴れやらで、わが酔臥(えいふ)せし隙(ひま)に著入(つけい)り、祟(たたり)をなさんず心なるか。阿那(あな)嗚呼(おこ)の白物(しれもの)よ」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「さればさ、城下の者が板女の噂をしておるにつけ込んで、人を弄(もてあそ)ぼうとする白痴(しれもの)の所為(しわざ)かも知れませんぞ」
女賊記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「酔(よ)いを醒(さ)ませ、この白痴者(しれもの)! ここをいずこと心得(こころえ)ておるのだ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
濁醪(どぶろく)を引掛(ひつか)ける者が大福(だいふく)を頬張(ほゝば)る者を笑(わら)ひ売色(ばいしよく)に現(うつゝ)を抜(ぬ)かす者が女房(にようばう)にデレる鼻垂(はなたらし)を嘲(あざけ)る、之れ皆他(ひと)の鼻(はな)の穴(あな)の広(ひろ)きを知(しつ)て我(わ)が尻(しり)の穴(あな)の窄(せま)きを悟(さと)らざる烏滸(をこ)の白者(しれもの)といふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵、三文字屋金平(著)