“鼻垂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はなた50.0%
はなたらし10.0%
はなたれ10.0%
はなった10.0%
はなったら10.0%
ハナタリ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
、母さんって呼んだらいいじゃないか。こんな子がどこかにいるだろうか。まだ乳臭ちちくさい、鼻垂はなたれ小僧のくせして、それで、人と違ったことがしたいなんて……
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
濁醪どぶろく引掛ひつかける者が大福だいふく頬張ほゝばる者をわら売色ばいしよくうつゝかす者が女房にようばうにデレる鼻垂はなたらしあざける、之れ皆ひとはなあなひろきをしつしりあなせまきをさとらざる烏滸をこ白者しれものといふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
鼻垂はなたれ小僧とののしられ、いい加減に寝てしまえと怒鳴られた。アントアネットは反抗の無益なことを知って、彼の腕をとらえて言った。
宿直をして鼻垂はなった小僧こぞうにからかわれて、手のつけようがなくって、仕方がないから泣き寝入りにしたと思われちゃ一生の名折れだ。これでも元は旗本はたもとだ。旗本の元は清和源氏せいわげんじで、多田ただ満仲まんじゅう後裔こうえいだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ここいらの鼻垂はなったらしは、よういそだって泳げようか。たかだかせきでめだかをめるか、古川の浅い処で、ばちゃばちゃとふなるだ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
但し紀の文にては鼻垂ハナタリといへる賊と相并べて出でたれば、地方君長の尊稱とも見えざれども、傳説の混入多き古記には、彌彌那利の尊稱を種として、耳垂、鼻垂の説話を生出さずとも限らざれば
卑弥呼考 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)