“現”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うつつ37.6%
げん12.5%
あらわ12.3%
あら9.7%
うつゝ9.4%
あらは5.5%
うつ5.5%
ウツ1.4%
げ1.0%
あき1.0%
で1.0%
ゲン0.9%
ア0.3%
ウツヽ0.3%
おつつ0.2%
タヽ0.2%
あらはれ0.2%
あらわれ0.2%
あり0.2%
だ0.2%
アキ0.2%
ウツツ0.2%
マサ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……当座は、夢を見てるんだと思ったそうです。……あまり欲しい欲しいが凝りかたまって、現(うつつ)にこんなものを見るのだと思った……
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すなわち一転すれば冒険心となり、再転すれば山気(やまぎ)となるのである。現(げん)に彼の父は山気のために失敗し、彼の兄は冒険のために死んだ。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
こういう現(あらわ)し方(かた)があるのか、と感心した事があったので、「僕の小説などは決して「見さくる高峰のやうな」ものではありませんが
茂吉の一面 (新字新仮名) / 宇野浩二(著)
少年(せうねん)の指(ゆびさ)す方(かた)を眺(なが)めると如何(いか)にも大變(たいへん)! 先刻(せんこく)吾等(われら)の通※(つうくわ)して來(き)た黄乳樹(わうにうじゆ)の林(はやし)の中(あひだ)より、一頭(いつとう)の猛獸(まうじう)が勢(いきほい)鋭(するど)く現(あら)はれて來(き)たのである。
世俗に色彩の夢を見ないといふが、ゴツホなどは夢と現(うつゝ)をごつちやにして、晩年あの黄色な繪具でカンバスを塗りこくつたのらしい。
砂がき (旧字旧仮名) / 竹久夢二(著)
津浪(つなみ)とは津(つ)の浪(なみ)、即(すなは)ち港(みなと)に現(あらは)れる大津浪(おほつなみ)であつて、暴風(ぼうふう)など氣象上(きしようじよう)の變調(へんちよう)から起(おこ)ることもあるが、最(もつと)も恐(おそ)ろしいのは地震津浪(ぢしんつなみ)である。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
そこを遡(さかのぼ)ると、自分の現(うつ)し身(み)を搏(う)っている血をとおして、遠い大祖(おおおや)たちの神業(かみわざ)と、国体の真(しん)が、いつか明らかに、心に映じてくる。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九人は、完全に現(ウツ)し世の庶民の心に、なり還つて居た。山の上は、昔語りするには、あまり寂しいことを忘れて居たのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
髷(まげ)は短く詰(つ)めて結(ゆ)つてゐる。月題(さかやき)は薄い。一度喀血(かくけつ)したことがあつて、口の悪い男には青瓢箪(あをべうたん)と云はれたと云ふが、現(げ)にもと頷(うなづ)かれる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この人に寿(ことほぎ)あって、今すこし生きぬいたらば、自分から脱皮し、因襲をかなぐりすてて、大きな体得を、苦悩の解脱(げだつ)を、現(あき)らかに語ったかもしれないだろうに——
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
自分に内緒で妻が株券などを貢いだのはどんな男だろうと思っていると、暫時して豊陽館から現(で)てきたのは、思掛けない浅田自身の弟であった。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
海を渡つて、あるせいぬ・るぱんに戰ひを挑みに來るへるろつく・しよるむすに到つては、唯二人の魔法使ひが術比べの場を現(ゲン)じたに過ぎない。
人間悪の創造 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
記・紀・万葉のみに拠るならば、日のみ子の現(ア)れ継(ツ)ぎは、歴史から生れた尊崇の絶対表現だと言はれよう。
けれどもまだ、まざ/″\と人の心に燒きついて離れぬ、現(ウツヽ)の恐しさであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
云わば我々陰陽(おんよう)の道にたずさわる者は、そう云う迷(まど)える魂を、現(おつつ)の正道に引戻してやろうと云うわけなのだ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
神招(ヲ)ぎ代(シロ)の幣束なる幣が、神の依り現(タヽ)す場(ニハ)の標(シルシ)となり、次いでは、人或は神自身が、神占有の物と定めた標(シメ)ともなり、又更に、神の象徴とさへ考へられる様になつたのである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そつと髪を切らうとして居る所へ母親が現(あらはれ)て来て、あの小楠公(せうなんこう)の自殺を諌(いさ)めたやうなことを、母親が切物(きれもの)を持つた手を抑へながら云ふやうな光景が見えて来ました。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
プルツス様が荘厳(そうごん)を尽してお現(あらわれ)になったのだ。5570
聞(きく)に喜八は主(しう)の爲(ため)妻を奉公に出し其給金にて質(しち)を請出(うけだ)し八十兩の金を見て不※(ふと)出來心(できごころ)より其夜忍び入りて伊兵衞と云へる盜賊に右の八十兩を貰(もら)ひし迄(まで)現(あり)のまゝ具(つぶさ)に語(かた)りけるにぞ家主は始めて是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この画は、大作ではありませんけれども、全体に於て私自身の有(も)って居ります考えなり筆なりを、自分でやや満足し得ますところまで現(だ)し得たものと信じて居ります。
「汐くみ」の画に就いて (新字新仮名) / 上村松園(著)
惟神とは「神それ自身」の意であつて、天皇陛下が唱へ言を遊ばされる為に、神格即惟神の現(アキ)つ御神(ミカミ)の御資格を得させられるのである。
神道に現れた民族論理 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
けれどもまだ、まざ/″\と人の心に焼きついて離れぬ、現(ウツツ)の恐しさであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かへり来て、町のよすぎのひそかなるを 現(マサ)目に見つゝ 堪へむ心なり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)