“標”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しるし52.4%
シルシ10.7%
7.8%
しる7.8%
しめ5.8%
ヘウ3.9%
シメ2.9%
1.9%
ひょう1.9%
まと1.0%
ヒヲ1.0%
あら1.0%
うき1.0%
ふだ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「表に槍があろう」と光辰が云った、「あれは重代相伝であり領主のしるしである、おれが領主である標に欲しいのだ、持ってまいれ」
若き日の摂津守 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
此を乞ひ取る人が争うて交換を願ふ為に、供へ物に善美を尽す様になつた。此山の土産は祝福せられた物のシルシであつて、山人の山づとは此である。
山のことぶれ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
宮を造営するに先だつて、やしろをめ、神のゐる所を作るために、柱を立てるのである。もつと簡単なのは、め縄を張るだけである。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
厨神大黒天もなかなか武備も抜かっておらぬというしるしに槌を持たせたのが、後には財宝を打ち出す槌とのみ心得らるるに及んだと見える。
ふと、歓声とほこりが馬場のほうでいた。十番とつらの競馬のさいごの騎手が、もう勝負ノしめの彼方からこっちへ馬を返してくる。
此作り物は、大嘗祭に牽いた「ヘウヤマ」と同じ物で、屋外の「モノ」を座敷にうつしただけである。
まれびとの歴史 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
神のシメさしたものとするのであるが、尚其ばかりではうつかり見外される虞れのある処から、特別の工夫が積まれてゐるので、此処にだしの話の緒口イトグチはついたのである。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
人の点定占有した土地に後から行って串を指し自分のめた野なりと争うのを罪となしたのである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
舞台上東西には宝樹八株ずつを植え、その側に礼盤らいばん一基ずつを据える。他に玉幡ぎょくばんをかける高座二基、高さ三丈三尺のひょう一基などが、恐らく舞台の近くに設けられたらしい。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
どんな無神経ものの眼にでも気がつかずにいない赤い三角形の蟇口はやすやすと細田氏の注視のまととなり、氏のきりの下駄はかつと鳴って、三角形蟇口の前に止りました。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大嘗祭り其他の古い祭りに曳かれたヒヲヤマの意義に於て立てられて居たに違ひありませんが、大昔の標の山が、まだ標山シメヤマであつた時代
あらはししめすたふとさよ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
話のうちにうきがびくびく動きだした。伊右衛門はそれと見て竿をあげると小鮒こぶながかかっていた。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「そうですな。顔良は、背にふだを立てて、自分の首を売り物に出している恰好かっこうではありませんか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)