“澪標”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みおつくし66.7%
みをつくし16.7%
みお8.3%
ミヲツクシ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いや、磯でもなし、岩はなし、それの留まりそうな澪標みおつくしもない。あったにしても、こうひと近く、羽を驚かさぬ理由わけはない。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蒲鉾屋は例によつて紅緑の色蒲鉾を並べ、壽司屋の鮨の配列、鳥屋の招牌の澪標みをつくし、しるこ屋の行燈、饂飩屋の提灯までもみな草雙紙の表紙のやうな一樣の趣味から出來てゐるのである。
京阪聞見録 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
桟橋のあるあたりは、泥深い干潟で、海の中へ澪標みおのように杭を打ち、アタップの、みじめな小屋が、傾いたりのめったりしながらいくつもあやうく載っている。
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
かくては、我身をも終につくすべきかといふ実質的内容に並んで、涙を湛へた中に澪標ミヲツクシの如く立つて居るといふ形体的内容が、詩全体に亘つて統一融合せられて居る。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)