“ふだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フダ
語句割合
77.7%
5.1%
4.6%
布田2.9%
1.1%
神札1.1%
1.1%
骨牌1.1%
納経0.6%
花札0.6%
0.6%
守札0.6%
招牌0.6%
0.6%
0.6%
神符0.6%
賦算0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さよは、いぶかしくおもって、そのまちにやってきました。すると、そのいえかたまって、店頭てんとうふだがはってありました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なお間違いのないように、ふだを渡しておこう……と云って自分の名刺を半分にいて、一つを支配人に渡し、残りの一つを自分のポケットに入れたそうです
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そして其処で彼は、青繻子の上衣のだぶだぶな袖の中から一つの見事な象牙のふだを取り出して僕に示しながら、ぶつぶつと囁く様に云いました。
象牙の牌 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
十一月三日 武蔵調布上布田ふだ三〇四、新田霞霧園隣地、虚子胸像除幕式。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
所詮しょせんふたたびこの世へは出られないものと覚悟しながら、李は暗いなかを探りつつ進んでゆくと、やがて明るいところへ出ました。そこには石室いしむろがあって、申陽之洞しんようのどうというふだが立っています。
源八は上州白雲山のお神札ふだをうけて来たから、これを神棚へ上げておいて下さいと門人へ渡した。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれは一つの鉄のふだをわたして立ち去った。それから歳月が過ぎるうちに、老女の娘はだんだん生長して、ここらでは珍しいほどの美人となった。
と黄八丈が骨牌ふだめくると、黒縮緬の坊さんが、あかい裏を翻然ひらりかえして
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長者は老僧のことばに驚いて、其の日から家を出て、弘法大師の巡錫していると云う四国八十八箇所の納経ふだ所納経所を目的めあてに尋ねて往った。
長者 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
初めには納経ふだ所の順を追うて廻りながら、路々人に聞くと、「それらしい旅僧は、昨日通った」とか、「其の人は昨夜此処で泊った」と云うばかりで、幾等急いでも
長者 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「だってあの御気色みけしき御覧ごろうじろ、きっとあれだ、ちげえねえね、八丁堀で花札ふだが走った上に、怨み重なる支那チャンチャンと来ちゃあ、こりゃおごられッこなし。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「御機嫌麗わしからずじゃあないか。顔色が可恐おそろしく悪いぜ、花札ふだが走ったと見える、御馳走ごちそうはお流れか、」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
當初御萱堂ごけんだう不幸之みぎり存寄ぞんじよらざる儀とはまうしながら、拙者の身上共禍因と連係候故、報謝の一端にもと志候御世話も、此の如く相終候上は、最早債をつぐのふだを折候と同じく、何の恩讐おんしうも無之
家相、方角、星占いだよ。んぞんぞのさわりというては。祈祷、禁厭まじない御神水おみずじゃ、お守札ふだじゃ。御符ごふうなんぞを頂戴させて。どうぞ、こうぞで済まして来たが。それじゃ治療なおらぬ病気の数々。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
招牌ふだもこそ歎きぬ。——ひとり
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「そうですな。顔良は、背にふだを立てて、自分の首を売り物に出している恰好かっこうではありませんか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大根だいこんでも、なすでも、いもでも、なんでもよくできたものには、一とう、二とうふだがついてしょうる。」ということをくと、ふと、おばあさんは、むねおもしたことがあります。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けたところへ砂糖を加へ、紫を注すと、ジユウツといふ音とともに、湯氣がむら/\と舞ひのぼり、黒ずんだ天井の眞ん中に貼つてある大神宮の劍先神符ふだが、白雲に蔽はれた山寺の塔のやうに
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
躍り上り躍り上り仏名を唱えつつ当時の日本国内六十万人を目標めやすに「光明」の文字を書いた賦算ふだを配って歩いた時宗の開祖一遍上人(延応元年に生れ正応二年に歿す)があります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)