ふだ)” の例文
友仁はここは何を祷る所であろうかと思って、暗い中を透してみた。神像の前のつくえ富貴発跡司ふうきはっせきしと書いたふだがあった。友仁はこれこそ自分の尋ねているところだと思って、その前へ跪いた。
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
所詮しょせんふたたびこの世へは出られないものと覚悟しながら、李は暗いなかを探りつつ進んでゆくと、やがて明るいところへ出ました。そこには石室いしむろがあって、申陽之洞しんようのどうというふだが立っています。