“さつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サツ
語句割合
紙幣25.8%
25.2%
20.6%
12.6%
4.3%
2.1%
1.8%
1.5%
0.9%
0.6%
警察0.6%
颯然0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
札幣0.3%
0.3%
薩芋0.3%
離縁0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何のまじないかあわてて煙草を丸め込みその火でまた吸いつけて長く吹くを傍らにおわします弗函どるばこの代表者顔へ紙幣さつった旦那殿はこれを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
右手のひじを、顔と顔のあいだへあげたのは、いうまでもなく、居合の身がまえで、手練の一さつを見せようかという意思の表示である。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信者をだましてまき上げた寄附金をにせさつとすり替えた奴と、それを盗んだ奴と、どちらが罪が重いか、いわなくても分るだろう。
盗難 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
〔評〕三條公の筑前に在る、或る人其の旅況りよきやう無聊むれうさつして美女を進む、公之をしりぞく。某氏えんひらいて女がくまうく、公ふつ然として去れり。
りょうちゃんのいえは、病気びょうきのおとうさんと、はたらきにかけるおかあさんとでありました。りょうちゃんは、一さつほん容易よういってもらえなかったのです。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人の罪は尊族さつの共同正犯というところで、直接に手に手こそ下さなかったが、野盗あがりの雑武士ぞうざむらいを使嗾して、花世にとっては親殺し、公子にとっては夫殺しの大業をなしとげたのである。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
わたくし丁度ちやうどそのときなにひとはなしいてもらひたいとたのまれてゐたので、子供こどもにしたはなしを、ほとんどそのまゝいた。いつもとちがつて、一さつ參考書さんかうしよをもずにいたのである。
寒山拾得縁起 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
加之しかも此無名の豪傑はさつの元老であらうのちやうの先輩であらうの或は在野の領袖りやうしうなにがしであらうの甚しきは前将軍であらうのと
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
しかれどもさつて吉野の物さびたる造化の深き峰のあたりに見るに、其美、其妙、塵垢に近き墨坨のほかに勝る事幾倍なるを知るべし。
今神仙の噫気あいきを秘蔵するか、かゝる明夜に、靉靆あいたいとして立ち昇る白気こそあれ、何物たるかを端知せむと欲して、袖庇しうひに耐風マッチをさつするも、全く用を成さず、試に拳石を転ずるに
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
万一、警察さつ密告さしやしめえかと思って、途中の自働電話から彼奴あいつを呼出して、もう一度用事が出来たからと云っておいて、引返してみたら、約束しておいた玄関のが開かない。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この日も驟雨的の雨が颯然さつと降りそゝいだ。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
暫く二人でおさつを食べ乍ら喋舌る。三藏にはわからぬ話が多い。默つて聞いてゐると又眠くなる。十風は歸つて來ない。蓬亭も來ない。便所に行く。掃除が屆か無いのか汚ない事夥だしい。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
「さう。おいしさうなおさつね。あなた如何です」
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
よろしい、わたしいまじつもつにつちもさつちもかん輪索わな陷沒はまつてしまつたのです。もう萬事休矣おしまひです覺悟かくごはしてゐます。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「だからさつきからあたまげてゐるんです」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
急に再び兵を発して長駆追ってみたが、すでに蜀軍の通ったあとにはびょうとして一さつの横雲が山野をひいているのみだった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爺さんに貰ったさつを帯の間へ挟んで鏡台の前を立ったお初は梯子段のところまで行って
神楽坂 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
段々とはなして娘を賣て十八年以前なる傍輩はうばいの恩金を返さんと思ふよしくはしくはなしければ利兵衞も其の志ざしを深くかんさつそく承知なし即ち判人はんにんとなりて新藤の娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一瞬の沈黙を破つてけたたましい笑ひ声が起つたと思ふと、弥生がもつくり半身を起して、狂気のやうに哄笑しながら、二三枚の札幣さつをつかんでビリビリ千切つた。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
人が死んで数日の後、ひつぎのうちから鳥が出る、それをさつという。
薩芋さつを一生断ちますると、頼んでおいたが。なんぼうでも、験が見えぬに、ほつとして。あの前の晩、ほこほこを、喰べて退けたが、出雲へ知れた、罰かと思ふて、堪らえて居たりや。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
くわつと急き込みながら『なるほど今は女房じやない。離縁さつたのは覚えてゐる。が己れが離縁らないその内から、密通くつついてゐた男があらふ』
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
さげいかりをといふ間もあらばこそ一ぢん颺風はやてさつおとし來るに常のかぜとはことかはうしほ波を吹出てそらたちまち墨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)