“容易”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たやす57.7%
ようい27.4%
やさ2.3%
やす2.1%
ようゐ1.8%
やさし1.8%
たや1.0%
たやすく1.0%
ただ0.5%
やすやす0.5%
らく0.5%
やうゐ0.3%
やうい0.3%
タヤス0.3%
いとやす0.3%
おろか0.3%
たやすい0.3%
ばか0.3%
めった0.3%
0.3%
ようえ0.3%
わけ0.3%
わけな0.3%
わけなし0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
マリクをして「彼が一度木の柱を金の柱なりと言ったとしたならば、彼は容易たやすくその柱の黄金なることを論証する智弁を有している」
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
しかし容易よういなことでは、かれにうたがわれるから、あくまでおまえは子供らしく、いざとなったらかくかくのことをもうしのべろ……
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
是れはたしか黒澤翁麿おきなまろあたりの工夫でありませうか、少數のむつかしい假名から教へて行くと云ふと、との容易やさしいのは自然に分ると云ふ方法があります。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「活動写真は何よりも容易やすくて人気のある見せ物だから、活動を見る程の人の大部分は一等戦争やなんかに係りがあるわけだわね」
兵士と女優 (新字新仮名) / 渡辺温オン・ワタナベ(著)
ロレ はれ、それは物怪もっけ不運ふうんの! 眞實しんじつ重大ぢゅうだい容易ようゐならぬ用向ようむきその書面しょめん、それが等閑なほざりになったうへは、どのやうな一大事だいじ出來でけうもれぬ。
なぜって、いくら容易やさしい字でも、こりゃ変だと思って疑ぐり出すと分らなくなる。この間も今日こんにちこんの字で大変迷った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
終に寐せざるもの真の寐か、此境に達するは人間の容易たやすく企つる能はざる所なり。
、わしにわざわざ云って来たため、田沼意次この地へ参り、諏訪侯お城に滞在のこと、容易たやすくわしに知られてしまった
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
よっぽど、御用心なさらぬといけません……。旦那様、それはもう容易ただごとではございません
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
「敵は大勢、味方は二人、広場へ出てはかないそうもない。きゃつらが地下道へ来るのを待って、容易やすやす討つに越したことはない」
ピイタア 今度はパトリックが財産を探す番だが、あの子はそう容易らくに手に入れることは出来まい、自分の地所も持っていないんだから。
皆之を押臥わうぐわし其上に木葉或はむしろきて臥床となす、炉をかんとするに枯木かれきほとんどなし、立木を伐倒きりたをして之をくすふ、火容易やうゐうつらず、寒気かんき空腹くうふくしのぶの困難亦甚しと云ふべし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
茫漠ぼうばくたる原野げんやのことなれば、如何に歩調をすすむるも容易やういに之をよこぎるをず、日亦暮れしを以てつゐに側の森林中しんりんちうりて露泊す、此夜途中とちう探集さいしふせし「まひたけ」汁をつく
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
世の中の歌よみが、こゝろを本とし、ことばを末だとして、容易タヤスく両者に軽重を定めて居るのは、今少し考へて見なければならぬと思ふ。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
容易いとやすい事、お見せしましょう」月子はのみの手を止めたが、膝を起こすと立ち上がった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
取戻とりもどして消光度無くらしたくなくてはかなはぬ金子故しうの爲には親をもすてならひ後日に我が首をきらるゝ如きは容易おろかと思ひ道ならぬ事ながぬすみに參りしとありまゝに語りければ彼の男是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「君は結婚をきわめて容易たやすい事のように考えているが、そんなものじゃない」と口惜くちおしそうに云う。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「だから、子供がきを育てるのも、容易ばかには出来ねえだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「……『姿隠しの袋笠』と『鳥音聞こえの木笛』とは、王朝時代から有名な物じゃ。容易めったに捨ててゆくことは出来ぬ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
無尽蔵にいる兎や狐を狩り取ることもいと容易すければ、その肉をぶることも焼くことも大して手間は取らなかったが、私の目指す森林の奥まで持ち運ぶ方法に苦しんだ。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
檀家の機嫌気づまとるは容易ようえなものじゃアないじゃて、だから折々は気晴しも無ければ成らん、気を晴さんでは毒じゃ、泊ってもえがじゃ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「いいともいいとも! 容易わけないことだよ! 今すぐそちらへ行くからね。大体あのルロイ・ソレルの夫人おくさんというのはお前ばかりじゃない、私も昔から虫が好かんのだよ。顔は綺麗かも知れないが、高慢で高ぶって見識張っていて……」
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
それは容易わけない事だ。毎日一度大飯おおめしを喰って、日比谷ひびやの原(その頃はマダ公園でなかった)を早足で三遍も廻ればき肥る。それには牛肉で飯を喰うのが一番だ。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
馬「有難い、こりゃア旦那何うぞ大事にして、あはゝゝゝ旦那まア両方の手に釣りあげて、あれまたれました、これは不思議、容易わけなしに釣れるので、あゝ/\/\」