“たやす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タヤス
語句割合
容易87.2%
3.1%
2.7%
手易2.7%
2.3%
田安1.6%
手容0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と云うよりは、むしろ、始からそれほど「主」を大事に思っていない。だから、彼は、容易たやすく、「家」のために「主」を犠牲ぎせいにした。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
前にも云つたやうに、将軍の一行には蘭方医と漢方医とが相半あひなかばしてゐた。其人物の貫目より視ても、両者はたやす軒輊けんちすべからざるものであつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ただかの絳雪を伴なふごとにたやすくはえも来ず。怨ずるに香玉、『わが情癡のさがには似もやらで、絳雪物に拘らはねば、こころ自からゆるやかなり。』
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
が、天才を信じない犬たちは——いや、天才を発見することは手易たやすいと信じてゐる犬たちはユダヤの王の名のもとに真のユダヤの王をあざけつてゐる。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これほどたやすい事は御座いませんが、一萬二千石の小堀家の興廢となると、家中の者の難儀は思ひやられます。
「それお前も知っている通り、この頃田安たやす家と一ツ橋家とは、何彼につけて競争ばかりし、面白くない気勢が醸されているが、とうとう変なものを争うようになったよ」
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私のそんな警戒心も暫くすると自分ながら滑稽になって来てそう手容たやすく殺されるものなら殺されてもみようと思うようにもなり自然に軽部の事などはまた私の頭から去っていった。
機械 (新字新仮名) / 横光利一(著)