“すなわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スナワ
語句割合
54.7%
16.6%
16.3%
便3.8%
1.7%
1.4%
素縄1.4%
1.0%
0.7%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すなわれが暗謨尼亜アンモニアである。至極しごく旨く取れることは取れるが、ここに難渋はその臭気だ。臭いにも臭くないにも何ともいようがない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
御前ごぜん谷の下およそ一里ばかりにして、内蔵助くらのすけ谷と相対して東から落ち込む沢といえば、赤沢である。すなわち栂谷は赤沢と同じ沢であることが分る。
しかればすなわちわれらをして冷遇を受けしめし者は何ぞ。曰く半ば人為なりとするも半ば偶然のみ人為の不都合は自ら責任の帰する所あり。
従軍紀事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
抖擻シテ一関ニ帰ス/浄業長ク修ム小蓮社/法輪又転ズ寿亀山/丹梯此リ仙路ヲ開キ/玉歩重重便すなわチ攀ヅ可シ〕
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もし多数的信任を失えばすなわち辞職して新たなる多数派にその地位を譲らねばならぬ。この議院内閣制の運用が、責任内閣の主義を頗る巧妙に徹底せしめて居るのである。
甚しきは且つ一臂袒ひたんせざれば、すなわち鹿馬の奸にいて、遠く豺狼ひょうろうの地にざんせられ、朝士之がために寒心す。また且つ平民の膏腴こうゆほしいままに貪食するに任す。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ちゃくわと二方をしきった畑の一部を無遠慮に踏み固めて、棕櫚縄しゅろなわ素縄すなわ丸太まるたをからげ組み立てた十数間の高櫓たかやぐらに人は居なかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
すなわち、その昔話こそ、郷土に於ける唯一の文学であるという見方であります。
すなわち剣を抜いて保食神を撃殺したまひき(中略)。是の後に天照大神た天熊大人をつかわして往いて看せたまふ。是の時に保食神まことすでみまかれり、唯し其の神の頂に牛馬化為れり云々(岩波文庫本)。
子游曰く、君につかえて(責)むればすなわ(則)ちはずかしめられ、朋友に(交わりて)むればすなわうとんぜらる。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
郷人の飲酒するとき、杖者じょうしゃ(老人)づればすなわち出づ。郷人のおにやらいするときは、朝服して阼階そかいに立つ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
子貢曰く、その礼を見ればすなわちその政を知り、その楽を聞けばすなわちその徳を知る。百世の後より百世の王をとうするに、これにく違うことし。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
孔子対えて曰く、子、政を為すにんぞ殺すことを用いん、子、善を欲せばすなわち民善からん、君子の徳は風なり、小人の徳は草なり、草はこれに風をくわ(加)うるとき必ずす。(同、一九)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
すなわチ司法権大書記官ヲ拝シ、勲五等ニ叙シ双光旭日章きょくじつしょうヲ賜フ。十月五日特旨従五位ニ叙ス。コノ日卒ス。年五十八。谷中天王寺ニ葬ル。儀衛兵ヲ賜ハリテコレヲ送ル。故旧門人会スル者車馬道ニ属ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
王曰く、勝負しょうはいは常事のみ、日中を過ぎずして必ず諸君のために敵を破らんと。すなわち精鋭数千をさしまねいて敵の左翼に突入す。王の子高煦こうこう、張玉等の軍を率いてひとしく進む。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
すべからざるにおいてすらおかつ為す、丈夫の本領おのずからかくの如し。名を正し分を明らかにし心すなわち信あり、なつを尊び夷を攘うの義に疑がわんや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
すなわ殿騰戸あみおかのくみとより出で迎えます時、伊邪奈岐命いざなぎのみこと語りたまはく、愛しき我那邇妹命わがなにものみことわれなんじと作れりし国未だ作りおわらず、れ還りたまふべしと。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「酔筆匇匇報故国。乃生載衣語偏繁。遥知阿母多喜色。今日天涯添一孫。」〔酔筆匇匇故国ニ報ズ/すなわチ生マレすなわセ語ひとえニ繁ナリ/遥カニ知ル阿母ノ喜色多キヲ/今日天涯一孫ヲ添フ〕の絶句にその喜びを
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)