“実”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
38.6%
じつ23.4%
13.4%
まこと10.1%
みの5.9%
2.5%
みのる0.8%
ほんと0.8%
ほん0.8%
0.7%
さね0.4%
ジツ0.4%
みのり0.3%
サネ0.3%
0.3%
ぜつ0.1%
まめ0.1%
みい0.1%
うみ0.1%
げに0.1%
づつ0.1%
0.1%
みっ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある日などはチュンセがくるみの木にのぼって青いおとしていましたら、ポーセが小さな卵形たまごがたのあたまをぬれたハンケチでつつんで
手紙 四 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
またうしてられる……じつ一刻いつこくはやく、娑婆しやば連出つれだすために、おまへかほたらばとき! だんりるなぞは間弛まだるツこい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
されどその頃の我は、これを何よりの事と思ひて、十六といふまではかくして過ぎしに、にも時は金なりといへる世の諺に違はず。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
今では末の一人娘の美留藻みるもというのが大きくなるのを、何よりの楽しみにして仕事に精を出していましたが、美留藻はまことに美しい娘で
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「ああ。わかった。わたしは、あのくわをつくるときに、こめや、まめが、たくさんみのってくれるようにとばかりおもっていた。それだからだ。」
おじいさんとくわ (新字新仮名) / 小川未明(著)
と見て、妻が更に五六つぶ拾った。「椎がった! 椎が実った!」驩喜かんきの声が家にちた。田舎住居は斯様な事がたいした喜の原になる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
さてこのみのるのみいどんは、どうしてか生れつきたいへんな煙草好きで、自分でもこれには全く困っていました。
しまひには、自分で自分を疑つて、あるひは聞いたと思つたのが夢ででもあつたか、と其音のほんとうそかすらも判断が着かなくなる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「そのお話を、是非一つ、会場の広間で願いましょう。少々、蛇体を加えて、ここに胴から上、踏切の尾の方と言うような事になればほんものです。ねえ、槙さん。」
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかるに同じ徳川時代にカイドウと称えて漢名の海紅すなわち海棠にてたものは、今日いうカイドウ、一名長崎リンゴである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
なお娘子には、「天地の至極そこひうちにあが如く君に恋ふらむ人はさねあらじ」(巻十五・三七五〇)というのもある程だから、情熱を以て強く宅守に迫って来た女性だったかも知れない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
諸寺諸山、非職員ノ住侶ヂユウリヨ、又、タトヘ凡下放埒ボンゲハウラツ与党賊徒ヨタウゾクトノ輩タリトモ、忠節ノジツヲイタスラバ、賞トシテ、近江国麻生アサフノ庄ヲテ賜ハルベキナリ
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾々が怠れば品物の方は決して近附かない。すべての所が処女地であった。精出してすきくわれない限りみのりはない。
地方の民芸 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
しかしそうするとサネカズラの語原が二つになって、始めに既に書いたように、その一はサネを原とする語原、その二はサナカズラを原とする語原となる。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
日本書紀に“生田村ニアンズル”と誌されたのが、杏の記録の始めだとか、また古来、ここの神社は松を嫌い、松の木は一本もなく、正月のシメ飾りも、能楽堂の杉戸の絵も
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
面白おもしろえ物を見て暮しますだけ人間ねんげんの徳だと思えやす、ぜつに旦那さまア御当地こちら朽果こちはてたい心は充分えっぱいあります
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手弱たよわくあらばおそらくは逃げさらん。よく三七九念じて、よくなし給へとまめやかに教ふ。庄司三八〇よろこぼひつつ馬を飛ばしてかへりぬ。
いいえね、お実枝はんは近頃日本髪に結うて髪慣らしをしてはるのと違ひますかなんてね、みいさんところの女中に訊ねたりするのですよ。
曠日 (新字旧仮名) / 佐佐木茂索(著)
「貞造は、貴女のうみの父親で、またある意味から申すと、貴女の生命の恩人ですよ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ト、事を分けたる文角が言葉に、げにもと心に暁得さとりしものから。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
き、き、君の態度は卑怯ひけふだ。はなは信義すんぎを欠く。た、た、誰にも言はぬなんて、づつーに言語道断であるんで、ある。わすはソノ方を五日間の停学懲戒ちようけいに処する。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
阿父おとうさん、これちぎり立てのさくらなのよ。埃や毛虫の卵がくつ着いててもいけないから、一粒づつこの水で洗つて召しあがれよ。」
たあちゃんみっちゃんが、健ちゃん遊ばんかあ、いうて遊びにきても顔が見えんの。あの山も見えんの。
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)