“み”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
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(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
るととする。のある鉛色生物のやうに、にそれがいてゐる。つてひたい。此手つたはしい。
の一のかはをがれたために可惜や、お繼母のために手酷折檻けて、身投げをしたが、
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はて、不思議だと思いながら、抜足をしてけて行くと、不意に赤児の泣声が聞えた。ると、其奴が赤児を抱えていたのだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
木戸ごしにヒマワリのを、通りすがりの若い衆めがけてぶつけもする。そんな育ちの彼女にとって、ここは全く別世界だった。
江戸の噂の種を掻き集めて歩く八五郎は、生れながらの新聞記者で、好意と惡戯つ氣と、好奇心と洒落つ氣にち溢れてをりました。
また大きな細長い魚や大烏賊を誤りたか、過去世に盛えた大爬虫プレシオサウルスの残党が今も遠洋に潜み居るだろうと論じ居る。
注射がくならさせて見たらと云ったことがあり、幸子も誰か専門の人にせて見ましょうと、いつもそう云ってはいたのであった。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
また或る人たちが下司な河岸遊びをしたり、或る人が蒲団の上で新聞小説を書いて得意になって相方の女に読んで聞かせたり
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
けれど、読者の心々に、これを人間清盛伝の一部とられるもよし、一連の障壁画を眺めるがように読むのも一つの読み方であろう。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はやの刻に及び候。茶臼山の敵陣次第にかさみ見えて候。速かに戦いを取り結びて然るべし、と大御所に伝えよ」と怒鳴った。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
参集の時刻は午後一時、来会者はな約束を重んじて一人も遅刻せるものなし。妻や娘をえる老人連は多く家庭教育会の会員なり。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
また或は我邦にてはを得んとのみ願ひて枝をめ幹を矮くするため、我も人もまことの梨の樹のふり花のおもむきをも知ること少く
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
見ると、大かた攫われたのでしょうね。玉ちゃんは色の白い、女の子のような綺麗な子ですから、悪い奴にこまれたのかも知れません
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
国大夫人蜜を米に塗り金盤に盛り自ら擎げ持ちて食わせ、第一の大臣は一番貧乏で親ら金のを執りて智馬の糞を受けるのだ。
昔はかの僧院、これらの天のため、をさはに結びしに、今はいと空しくなりぬ、かゝればその必ず直にはれん 一一八—一二〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
けれど、そのときの自然と、いまの自然とどこにちがいがあろう。そうってふりくと、花壇には平和ちていました。
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
柳と同じを持つた、夜目には見きの附かない大木が岸の並木になつて居る。あちこちに捨石がいくつも置かれてあつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
馬鹿になってしまったのではないかと疑われるくらい——正月でもあるせいもあろうが——夜毎かな笑い声にちているのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
るに形躯変幻し、依附し、り雨湿うの、月落ち横たわるのいて声あり。其のえどもることなし。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
一と所脚の下に川をる場所があって矢張り木曾川と思っていたら、それは王滝川で、いつの間にか右へ廻り込んでいたのでした。
木曾御岳の話 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「そちがおればこそも枕を高くして、安臥しておられるのだ。決して、寝所の帳か番犬のように、忘れ果てていたわけじゃない」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
静かなにゆらりゆらりと揺れて、夕靄の立ち籠むる湖面の彼方、家々の窓にともる赤い灯影、アンジアン娯楽場の不夜城はキラキラと美しくに映っている。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
「百行依ルトコロ孝ト忠、ヲ取ツテ失フ無キハ果シテ英雄、英雄ハタトヘ吾曹ノ事ニアラズトスルモ、赤心ヲ抱イテ此ノヲ願ハンヤ——」
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
後醍醐もこれのみは、よもやとしておられただけに、南ノ方からつぶさな当夜の惨状をおききとりあるや、さすが御父子である。逆鱗すさまじいけしきだた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くして滿ちたにはらぬランプがるされて、には一ぞろつと胡坐いてづくられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さて子舎へ這入ッてからお勢は手疾寐衣に着替えて床へ這入り、暫らくの間ながら今日の新聞をていたが……フト新聞を取落した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
古語其以てする所を其由ふ所を其安んずる所を察す人んぞん哉人んぞん哉爰にる者有り然れ共其者の眸瞳動靜
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
市長は時として我臥床の傍に坐して、われに心を安んじて全快を待たんことを勸め、ロオザの遠からず來りて病をるべきを告げたり。
「なァに食べられないことは無いよ。が少し柔いが……。」と、之を外し与ふれば、小児は裾に包み、一走りに走り去れり。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
採鉱溶鉱より運搬に至るまでの光景仔細に写しして目るがごとし。ただに題目の新奇なるのみならず、その叙述のなる、実に『万葉』以後の手際なり。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
高が竹田や山陽程度のものでさええない者たちである。貫名、山陽の程度に於て、即座に真偽鑑定に責任を持ち太鼓判を押せる鑑賞画家というのはまずない。
愛陶語録 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
そして最後に宇治の螢を引張り出して、「那処の螢は大きいね。さやうさ、雀よりももつと大きかつたかな。何しろ頼政の亡魂だといふんだからな。」
梅がを結ぶ毎に、少年等はこれを摘み取り、相擲つてとした。当時未だ曾て梅子の黄なるを見るに及ばなかつたのである。既にして榛軒が歿し、弟子が散じた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
が、何人の考えも同じことで、巡査も毛綱って、行かれる所まで行ってようと思い付いた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
左樣ならとてげるに、あれいちやんの現金な、うおりはりませぬとかえ、そんなら京町買物しましよ、とちよこ/\りに長屋細道むに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「これがいい。朝の急行が……。」などと、浅井はそこのところを指して、茶をいれているお今にせた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「先生、今日おでしたら、神田まで附き合ってくれません? 私あすこでてもらいたいことがありますの。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しかも、こっちを、銑吉の方を向いて、をぴちぴちと動かす。一疋七八分にして、は寸に足りない。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼はその女と私とを突合わして、何らかの反応をようというつもりであったらしい。
遁走 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
守護のように、ちゃんと斜めにかけているのを、旅客はまたこの時たのである。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
乱びん蒼白なをなし、抜きをひッさげたその人影は九兵衛のすぐ目の前を抜けて、木賊谷の方角へ風のごとく駆け過ぎてゆきました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今は何處に家を持つて、お内儀さんも御健勝か、小兒のも出來てか、今も私は折ふし小川町の勸工場見物に行まする度々、舊のお店がそつくり其儘同じ烟草店の能登やといふに成つて居まするを
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「磯の埼ぎたみゆけば近江八十さはに鳴く」(巻三・二七三)、「吾が船は比良の湊に榜ぎてむ沖へなりさふけにけり」(同・二七四)がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
耳をかしているのかいないのか、その長いはなしの間を、光秀は拝殿の奥にゆらぐあかしを見つめていた。そして黙然と起つともうっていた。すでに宵闇がふかい。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
施済は隠れて為すべきである、右の手の為すことを左の手に知らしむべからずである、然れば隠れたるにたまう神は天使と天の万軍との前に顕明に報い給うべしとのことである(同六章四節)
蛮夷、だるは聖人の憂うるところなれども、その聖人国を蛮夷に奪われたるは今の大清なれども、大清の人民もまた聖人の書をもって教となすべし。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
陥人、今よりち満ち、迷魂の陣、れより打開す。双明焼毀し、九幽の獄に押赴す。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
     
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
従容として去る。庸の諸将みてるも、天子の詔、朕をして叔父を殺すの名を負わしむるれの語あるを以て、矢をつをてせず。戦う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
黒吉は遙か下の舞台を下すと、ピエロの仙次は、可笑しな身ぶりに、愛嬌をふり撒き、代って救助網を持った小屋掛人足が、意気な法被を着て三人ばかり出て来るところだった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
医者が診察に行きまして日中睡るかどうかということを尋ねる。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
老母さんの四畳半の方に上っていった様子をチラリとたから、わざとその客を引き留めて雑談に時を過しながらヒステリーの女みたいに癇癪の強い新吉の気を抜いていた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
果実られる気持じですか?』
機会ている二日目の朝、見知り越しの金貸が来てお政を連出して行く。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
よべの電燈をそのまゝに、 ひさげのこりし桃の
文語詩稿 五十篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
一度、神仏の前に供えたのだ、と持つ手もわななく、を震わして喜ぶんだ、とかねて聞いておりましたものでございますから、その晩は、友達と銀座の松喜で牛肉をしたたか遣りました、その口で
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「女の肌のようにネットリとした刀身だ。男の肌へ食い込ませてやろうぜ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
また以て彼が功夫の存する所をるべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
日脚はもうを過ぎていた。宗徒の手入にすこしの手落もないようにと、板倉伊賀守と共に鋭い眼を四方に配っている大久保忠隣のへ、役人に案内せられて貧相な一人の僧侶が来た。
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
社会が目をはる。我儘だと言ふ。そしてその形式で縛らうとする社会は人間をして深い自己を出させまい、出させまいとしてゐる。深い衣でそれを包まうとしてゐる。その衣は所謂社交である。
脱却の工夫 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
一歩農舎に入りてるところは何ぞ、みなこれ病者、悉く熱に浮かされ、或いは高笑いし或いは壁に攀じ、農舎の中は悪臭鼻を衝き、水を与うる者なく、水を運ぶ者なく
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
八十一州の兵を、君の大禄をいただきながら、荊州を攻め取るぐらいなこともできず、わらわの最愛な息女にして玄徳をい、し討ちに殺して事を成そうとは……ええ、なんたる無能ぞ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手振りして生活の楽になりし云ふ老父金網ごしてはうれしき
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
いのち生くる独りのり慕はしく日向に雑草の萠ゆるをたり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
おつたは褐色めた毛繻子洋傘けた其處らにれた蕎麥種子まぬ注意しつゝ勘次横手つた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ら、はあらねえともね」おつたは蕎麥種子の一らけた遠慮もなく一直線不駄をつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
經文讀誦抹香くさくなりて、らしきひはかるべしとひしに、やうのぶりもなく、柳髮いつも高島田げて、えりにださぬみのよさ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一念此處まりては今更らはすべき手段もなく、をとりても、はては學校きてもらきても、西行令孃姿だれてれぬに
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
空が 凝視てゐる
秋の瞳 (新字旧仮名) / 八木重吉(著)
空が 凝視てゐる
秋の瞳 (新字旧仮名) / 八木重吉(著)
此の間も吉村さまの仁介もおましがっていましたが、のような不行届の者をえ懸けて下さり何ともはや恐入りやす
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
林「いえ、旦那様がえ懸けて下せえますから、お互に思えば思わろゝで、そりゃア尊公当然て」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かき𢌞る 磯の埼おちず三八
うち𢌞三六 島三七の埼埼
わがやどの尾花押し置く露に手触れ吾妹子ちらまくも見む (巻十、秋雑)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
十とせの昔しなるべし 歌よはじめし頃の詠草くりひらげミれば、かみの末に歌の數こまかにしたゝめて幾年幾月より幾月までの間など書たる、手ハなき父の物せられしなり
反古しらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこもさんのきなところで、手桶をかついでたり、んだりするつて、それを見のをひました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何ぞの用で、小僧も使いにられて、煎餅えば、小母さんの易をる七星を刺繍した黒い幕を張った部屋も知っている、その往戻りから、フトこのかくれた小路をも覚えたのであった。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そういう書信が、お前のところから来て以来、どんなに妾は、お前のおいでるのを待っていたことか。……安心おし、安心して何時までもここにお居で。この姉さんが世話てあげます。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
折しも、湖岸に此珍事を傍観て居た人があつて
鼻で鱒を釣つた話(実事) (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
えやん、っちゃん、おん、はよおいでんか、あほめ、見えへんがな、すわらんか、などわいわいわめいている。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
鷲尾は倅のんだたよりなげなウツロな眼や、でッかちになった頭などを、まるで夢心地でシゲシゲとつめながらやっと抱えあげた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
『アアさようかな、それは心配なことで、ごもっともごもっとも、よく私がて進ぜます』という調子でございました。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
後を追うて大阪に来た、探すのに苦労した、今はこの辺りの料亭にいる。誘惑が多いが、あんたに実をつくして、身固くしている。入りがかなりあるから、二人で暮せぬことはない。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
どつちかて云へば、あんたなんぞ、そん方が仕合せかも知れんとたあ。当分遊んどらるる金はあツとだるけん。そんうちい、よか運のいてツたい。なあ、おつ母さん。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
一たび筆をふ時は千言立ちどころにると云ふ。又書名あり。筆法遒勁、風韻蕭散と称せらる。その内外の二祖、な当時の魁儒たるにり、希哲の文、典訓を貫綜し、古今を茹涵す。
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
我は自らことわりて、誰かわが此墳墓をるを難ずることを得んと云ひぬ。
はして、苦桃太郎七卷卷裹め、
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
当時の選科生というものはじめなものであった、私は何だか人生の落伍者となったように感じた。学校をえてからすぐ田舎の中学校に行った。
或教授の退職の辞 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
その陰にそっと身を潜めて、葛籠笠を傾け、道中合羽の袖を撥ねて、さっきからされたように、この斬りあいに見入っている人物がある。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ああ、もっと早く来ればうござんした。一所に行って欲しかったし、それに四五日おえなさらないから、滝ちゃんや透さんの顔も見たくって、」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから朝日島漂着して、椰子果實美味かつた猛狒襲撃一件櫻木海軍大佐との奇遇屏風岩奇異猛犬稻妻にもなるなる
したまたまわが陋屋の庭に枇杷のの生育して巨木となったのを目前に見る時、歳月の経過を顧み、いかにしく時勢の変転したかを思わずには居られない。
枇杷の花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
事務員の人達は、みすぼらしい私の姿をジロジロ注視ていた。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
中に雪つもる夜の明星かとばかり紫匂ふダイヤモンド、此指輪は彼人の手に日頃光しそれよ白ばらは二人が紀念の、さゝやきし其時の息やこもるなつかしやとばかりつく息も苦氣なり。
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
日比谷公園前の近江を初めとして、新しい東京八景が出来ているが、それは皆、往来に山や谷や湖や川が出来たのに対して名づけられたものである。
捲いた場所は舟を現しているらしいが、若し然りとすれば、この舟の積荷は、稲の藁でつくった球三箇、松の小枝、及び鮮紅色の漿果若干である。
かれにしては、これは稀有なほど、激越なことばであった。民部には、またじゅうぶんな敗数のが見えているか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この爲めに、毎晩足がほてつて來ると、氣が狂ふほど痛がゆいのを我慢したことや、れて、生身が出て、固くなつてゐる爪先を毎朝の靴中に押込むときの痛さを、私はよく覺えてゐる。
に彼は火の如何え、如何にくや、とるが如くを裂きて、その立てる処を一歩も移さず、風と烟ととの相雑り、相争ひ、相勢ひて、力の限を互にふをば、くもたりとや
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ホッ/\血統は切れんという道理に迫り、より私は両人を逃がせば死ぬ覚悟、ホッ/\江戸で白翁堂にて貰った時、お前は死相が出たから死ぬと云われたが
場内の女客に美しきはあらずやと左を顧み右をしかど、遂にさる者を認め得ざりき。忽ち隣席に就く人あり。こは嘗てにて相見しことある少年紳士なりき。
迫りてこれをるときは生気索然として、かつて観るべき者あることなきが如し。
右を、左をして、今この時、なにができようぞ。——古来の英雄どももみな、一時の人心を恐れて、禍根を末代にのこして来たが、信長はその根をぬいてみせる。やるからには、してやる。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けんのあたりに深いしわをよせながら、彼は何か心の中で苦悶と戦って居るらしい。
途上の犯人 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
自分は飽くまで眼をはり、飽くまで恐れおののく自分を見守って生の岸端に足を踏み堪えなければならない。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
余所目たる老夫はいたく驚きてけぬ、世話人は頭をきて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「冬は日がイじけエろ。起きれてがんね」
湖の中にいたたくさんの舟は、であおられるように漂わされた。湖の上にいる人達はひどく恐れた。
汪士秀 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
妾はいろいろとよりを探してみた。だがそれがどうしてもハッキリ分らない。実は父が死んだときは、妾が十歳のときのことであるが、そのとき父についていた身内というのは妾一人だった。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さりとも一れがたければ、いつしかあつうりて、動悸のくるしうるに、づしてはまねどもしらぬうちにとでゝ石橋つて築山背後
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わが肉身は 卵殻の如く く且つくして
無題 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
夏のころ梅の如き淡紅の花を開きをむすび熟するときはけて御輿のわらびでの如く巻きあがる。茎も葉も痢病の妙薬なりといふ。みこしぐさ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
教会草木動物の如き自然物にあらず、草木は時期めてび、小児時期経過すれば成人して智力啓発に至るべし、れども教会人為的なり、復興せんとせば明日
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
退けば緇衣香烟茶味、淡然として生を終り、栄国公られ、を賜わり、天子をしてずから神道碑を製するに至らしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
哀しきかも我が父、痛ましきかも我が母、一身死に向ふ途をへず、唯二親世にす苦を悲しぶ。今日長く別れなば、何れの世にかることを得む。ち歌六首を作りてりぬ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
わけて、平安朝の末期には、年表にも「天皇、皇后、競馬を給ふ」の項が隨所に多い。神泉苑の競馬、仁和寺の競馬、加茂の競馬。時には、公卿の邸地でも、都の大路でも、臨時競馬をやつた。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
其戸をへばとして其れ人し、三歳覿えず、凶なりといふやうになつてしまふ。
震は亨る (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
すぐっともなくなって、美しい夢を壊してしまうより、身を投げて、愛するひとの記憶の中に永久にとどまっていたい……自分の死に同情して
喪服 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
総髪で、髷を太く結んでいるらしい。鼻は高いらしい。全身は痩せているらしい。そういう武士が、刀を鑑定ているらしく、刀身が、武士の膝のりから、斜めに眼の辺りへまで差し出されていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
少しも安息む暇がないうちにも弟を小学校に出し妹に自分で裁縫の稽古をしてやり、夜は弟の復習てやらねばならず、炊事から洗濯から皆な自分一人の手でやっていた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
嗚呼々々、六尺のに人竝みの膽は有りながら、さりとは腑甲斐なき我身かな。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
鮫の黒肉はわびしく凍る……
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
側には小僧が、大い𥳽でさつ/\とあふつてゐるのである。それでも婆あさんは爲事をしてゐると、自ら信じてゐるのであらう。主人はをかしく思ふであらうに、小言も言はぬと見える。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)