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身
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み
ふりがな文庫
“
身
(
み
)” の例文
そして、
大空
(
おおぞら
)
からもれる
春
(
はる
)
の
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
を
受
(
う
)
けていましたが、いつまでもひとところに、いっしょにいられる
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
ではなかったのです。
花と人の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此
(
こ
)
の一
歩
(
ぶ
)
に
身
(
み
)
のかはを
剥
(
は
)
がれたために
可惜
(
をし
)
や、お
春
(
はる
)
と
云
(
い
)
ふ
其
(
そ
)
の
娘
(
むすめ
)
は
繼母
(
まゝはゝ
)
のために
手酷
(
てひど
)
き
折檻
(
せつかん
)
を
受
(
う
)
けて、
身投
(
みな
)
げをしたが、
其
(
それ
)
も
後
(
のち
)
の
事
(
こと
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唐縮緬
(
とうちりめん
)
の
三
(
み
)
つ
身
(
み
)
の袖には咲き乱れた春の花車が染め出されている。嬢やはと聞くと、さっきから昼寝と答えたきり、元の無言に帰る。
枯菊の影
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ことしは
芳之助
(
よしのすけ
)
もはや
廿歳
(
はたち
)
今
(
いま
)
一兩年
(
いちりやうねん
)
經
(
へ
)
たる
上
(
うへ
)
は
公
(
おほやけ
)
に
夫
(
つま
)
とよび
妻
(
つま
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
身
(
み
)
ぞと
想
(
おも
)
へば
嬉
(
うれ
)
しさに
胸
(
むね
)
をどりて
友達
(
ともだち
)
の
嬲
(
なぶり
)
ごとも
恥
(
はづ
)
かしく
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
また床次君のやうに自分が偉人らしい
言草
(
いひぐさ
)
も気に喰はぬ、
身
(
み
)
不肖
(
ふせう
)
ながら朝夕南洲翁に
随
(
つ
)
いてゐたから、翁の
面目
(
めんもく
)
はよく知つてゐるが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
かたがた
私
(
わたくし
)
としては
態
(
わざ
)
とさし
控
(
ひか
)
えて
蔭
(
かげ
)
から
見守
(
みまも
)
って
居
(
い
)
る
丈
(
だけ
)
にとどめました。
結局
(
けっきょく
)
そうした
方
(
ほう
)
があなたの
身
(
み
)
の
為
(
た
)
めになったのです……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その驚き方は、長男の庄次郎が
板新道
(
いたじんみち
)
の女に
憂
(
う
)
き
身
(
み
)
をやつしているのを発見した時の場合などとは、比較にならないほど大きかった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ロレ いや、
其
(
その
)
語
(
ことば
)
の
鋭鋒
(
きっさき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐ
甲胄
(
よろひ
)
を
與
(
おま
)
さう。
逆境
(
ぎゃくきゃう
)
の
甘
(
あま
)
い
乳
(
ちゝ
)
ぢゃと
謂
(
い
)
ふ
哲學
(
てつがく
)
こそは
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
慰
(
なぐさ
)
め
草
(
ぐさ
)
ぢゃ、よしや
追放
(
つゐはう
)
の
身
(
み
)
とならうと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
未
(
いま
)
だ
必
(
かなら
)
ずしも
(六四)
其身
(
そのみ
)
之
(
これ
)
を
泄
(
もら
)
さざるも、
而
(
しか
)
も((説者ノ))
語
(
ご
)
((適〻))
其
(
そ
)
の
匿
(
かく
)
す
所
(
ところ
)
の
事
(
こと
)
に
及
(
およ
)
ばんに、
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
者
(
もの
)
は
身
(
み
)
危
(
あやふ
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
そこには着飾った森おじ——ではない森虎造が落ちつかぬ顔をしながら、強いて
反
(
そ
)
り
身
(
み
)
になって威厳を保とうとしているのだった。
鍵から抜け出した女
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
でも
望遠鏡
(
ばうゑんきやう
)
のやうに
篏
(
は
)
め
込
(
こ
)
まれては
堪
(
たま
)
らない!
些
(
ちよツ
)
と
始
(
はじ
)
めさへ
解
(
わか
)
ればもう
占
(
し
)
めたものだ』
此頃
(
このごろ
)
では
身
(
み
)
にふりかゝる
種々
(
いろ/\
)
の
難事
(
なんじ
)
を
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
それで
好
(
い
)
いのだ、わたしに後の心配はすこしもない。とお雪は叫びたかった。四万円の
身
(
み
)
の
代金
(
しろきん
)
で姉さんは加藤楼の
女将
(
おかみ
)
になっている。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「わたくしは、
身
(
み
)
におぼえのない
罪
(
つみ
)
をいいわたされたのでございます。わたくしは、いつなんどきも、忠義をつくしてまいりました。」
忠義者のヨハネス
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
十まではおろか
一生
(
いっしょう
)
でも、この子のそばにいたいのですけれど、わたしはもう二
度
(
ど
)
と
人間
(
にんげん
)
の
世界
(
せかい
)
に
帰
(
かえ
)
ることのできない
身
(
み
)
になりました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
身に
纒
(
まと
)
ひ
何樣
(
どのやう
)
なる出世もなる
筈
(
はず
)
を娘に別れ孫を失ひ
寄邊
(
よるべ
)
渚
(
なぎさ
)
の
捨小舟
(
すてこぶね
)
のかゝる島さへ
無
(
なき
)
身
(
み
)
ぞと
叫
(
わつ
)
と
計
(
ばか
)
りに
泣沈
(
なきしづ
)
めり寶澤は
默然
(
もくねん
)
と此長物語を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
或
(
あ
)
る
騎兵大隊長
(
きへいだいたいちやう
)
の
夫人
(
ふじん
)
に
變者
(
かはりもの
)
があつて、
毎
(
いつ
)
でも
身
(
み
)
に
士官
(
しくわん
)
の
服
(
ふく
)
を
着
(
つ
)
けて、
夜
(
よる
)
になると
一人
(
ひとり
)
で、カフカズの
山中
(
さんちゆう
)
を
案内者
(
あんないしや
)
もなく
騎馬
(
きば
)
で
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
児
(
こ
)
は母の
懐
(
ふところ
)
にあり、母の袖
児
(
こ
)
の
頭
(
かしら
)
を
覆
(
おほ
)
ひたれば
児
(
こ
)
は
身
(
み
)
に雪をば
触
(
ふれ
)
ざるゆゑにや
凍死
(
こゞえしな
)
ず、
両親
(
ふたおや
)
の
死骸
(
しがい
)
の中にて又
声
(
こゑ
)
をあげてなきけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
からお
品
(
しな
)
のいふなりに
成
(
な
)
るのであつた。
二人
(
ふたり
)
は
遠
(
とほ
)
くは
行
(
ゆ
)
けないので、
隣村
(
となりむら
)
の
知合
(
しりあひ
)
へ
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じた。
兩方
(
りやうはう
)
の
姻戚
(
みより
)
が
騷
(
さわ
)
ぎ
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何
(
なに
)
となく
薄淋
(
うすさび
)
しくなつた
浪
(
なみ
)
の
面
(
おも
)
を
眺
(
なが
)
めながら、
胸
(
むね
)
の
鏡
(
かゞみ
)
に
手
(
て
)
を
措
(
を
)
くと、
今度
(
こんど
)
の
航海
(
かうかい
)
は
初
(
はじめ
)
から、
不運
(
ふうん
)
の
神
(
かみ
)
が
我等
(
われら
)
の
身
(
み
)
に
跟尾
(
つきまと
)
つて
居
(
を
)
つた
樣
(
やう
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
は
此
(
この
)
袴
(
はかま
)
を
着
(
つ
)
けた
男
(
をとこ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
に、
今
(
いま
)
何事
(
なにごと
)
が
起
(
おこ
)
りつゝあるだらうかを
想像
(
さうざう
)
したのである。けれども
奧
(
おく
)
はしんとして
靜
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし、
一休
(
いっきゅう
)
さんを
生
(
う
)
んだ
伊予局
(
いよのつぼね
)
は、
后宮
(
きさきのみや
)
の
嫉妬
(
しっと
)
のため、
身
(
み
)
に
危険
(
きけん
)
がせまったので、
自分
(
じぶん
)
から
皇居
(
こうきょ
)
をのがれることになりました。
先生と父兄の皆さまへ
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
「
世
(
よ
)
の
人々
(
ひとびと
)
の
御主
(
おんあるじ
)
よ、われをも
拯
(
たす
)
け
給
(
たま
)
へ。」
此世
(
このよ
)
の
御扶
(
おんたすけ
)
も
蒼白
(
あをじろ
)
いこのわが
罪業
(
ざいごふ
)
は
贖
(
あがな
)
ひ
給
(
たま
)
はなかつた。わが
身
(
み
)
は
甦生
(
よみがへり
)
の
日
(
ひ
)
まで
忘
(
わすれ
)
られてゐる。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
その時私の指してる大小は、
脇差
(
わきざし
)
は
祐定
(
すけさだ
)
の丈夫な
身
(
み
)
であったが、刀は
太刀作
(
たちづく
)
りの
細身
(
ほそみ
)
でどうも役に立ちそうでなくて心細かった。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
博士と警官二人は広いホールに逃げて、ホールに入ってくる透明人間を
包囲
(
ほうい
)
するように
身
(
み
)
がまえ、火かき棒を前に突きだして敵を待った。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そうして買収された罪状が一々明白になったにも拘らず、大道局長は依然として
反
(
そ
)
り
身
(
み
)
になって、例の鼻眼鏡を光らしていた。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「
曩
(
さき
)
の勞働者の唄ね、
君
(
きみ
)
は何う
思
(
おも
)
ふか
知
(
し
)
らないけれど、あれを聽いてゐて、僕は
身
(
み
)
につまされて何んだか
泣
(
な
)
きたくなるやうな氣がしたよ。」
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
彼は始めて空想の夢を
覚
(
さま
)
して、及ばざる
身
(
み
)
の
分
(
ぶん
)
を
諦
(
あきら
)
めたりけれども、一旦
金剛石
(
ダイアモンド
)
の強き光に焼かれたる心は幾分の知覚を失ひけんやうにて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
兼吉
(
かねきち
)
と
五郎
(
ごろう
)
は、かわりがわり技師と花前との
身
(
み
)
ぶりをやって人を笑わせた。細君が花前を
気味
(
きみ
)
わるがるのも、まったくそのころから
消
(
き
)
えた。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
どうかすると心にもない自分の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
談
(
ばなし
)
がはずんで、男に
凭
(
もた
)
れかかるような
姿態
(
ようす
)
を見せたが、聴くだけはそれでも熱心に聴いている浜屋が
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「これこそあ、耕平の野郎の、
身
(
み
)
の
代金
(
しろきん
)
だぞ。無暗なことにあ
遣
(
つか
)
われねえぞ。この金は、金として、取って置かなくちゃ。」
馬
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
蓬頭垢面
(
ほうとうこうめん
)
身
(
み
)
に
襤褸
(
らんる
)
をまとい
薦
(
こも
)
を被り椀を手にして犬と共に人家の勝手口を徘徊して残飯を乞うもの近来漸くその跡を絶てり。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
煙草屋
(
たばこや
)
の
角
(
かど
)
に
立
(
た
)
ったまま、
爪
(
つめ
)
を
煮
(
に
)
る
噂
(
うわさ
)
をしていた
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は、あわてて八五
郎
(
ろう
)
に
目
(
め
)
くばせをすると、
暖簾
(
のれん
)
のかげに
身
(
み
)
を
引
(
ひ
)
いた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
岐阜県の或る地方では以前は山の神の
産衣
(
うぶぎぬ
)
と称して長さの六七尺もある
一
(
ひと
)
つ
身
(
み
)
の着物を献上する風があったというが、今はいかがであろうか。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
できることなら、せがれの
身
(
み
)
がわりにしていただきたいところですが、せめて、一ど、あわせてはいただけないでしょうか。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
御免
(
ごめん
)
なさい。「ハイ。「
扨
(
さて
)
誠にどうもモウ
此度
(
このたび
)
は
御苦労様
(
ごくらうさま
)
のことでございます、
実
(
じつ
)
に
何
(
ど
)
うも
云
(
い
)
ひやうのない
貴方
(
あなた
)
は
冥加至極
(
みやうがしごく
)
のお
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
でげすな。 ...
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
何
(
なに
)
しろこりゃ
男
(
おとこ
)
だもの、きりょうなんか
大
(
たい
)
した
事
(
こと
)
じゃないさ。
今
(
いま
)
に
強
(
つよ
)
くなって、しっかり
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
をまもる
様
(
よう
)
になる。」
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「むりに
宮仕
(
みやづか
)
へをしろと
仰
(
おほ
)
せられるならば、
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
は
消
(
き
)
えてしまひませう。あなたのお
位
(
くらゐ
)
をお
貰
(
もら
)
ひになるのを
見
(
み
)
て、
私
(
わたし
)
は
死
(
し
)
ぬだけでございます」
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
またその
次
(
つ
)
ぎには
石
(
いし
)
を
組
(
く
)
み
合
(
あは
)
せて
棺
(
かん
)
を
造
(
つく
)
ることをしないで、
蓋
(
ふた
)
と
身
(
み
)
とは
別々
(
べつ/\
)
として、
石
(
いし
)
をくり
拔
(
ぬ
)
いて、
大
(
おほ
)
きな
棺
(
かん
)
を
造
(
つく
)
るように
進歩
(
しんぽ
)
して
來
(
き
)
ました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
冬時
(
とうじ
)
此
(
この
)
河
(
かは
)
に
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふには、
豫
(
あらかじ
)
め
身體
(
しんたい
)
を
入
(
い
)
るゝに
足
(
た
)
る
孔穴
(
こうけつ
)
を
氷
(
こほり
)
を
破
(
やぶ
)
りて
設
(
まう
)
け
置
(
お
)
き、
朝夕
(
あさゆふ
)
此
(
この
)
孔穴
(
こうけつ
)
に
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
して
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふ。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
君子
(
きみこ
)
が
不審
(
いぶか
)
しさに
母親
(
はゝおや
)
の
容子
(
ようす
)
に
目
(
め
)
をとゞめた
時
(
とき
)
、
彼女
(
かのぢよ
)
は
亡夫
(
ばうふ
)
の
寫眞
(
しやしん
)
の
前
(
まへ
)
に
首
(
くび
)
を
垂
(
た
)
れて、
靜
(
しづ
)
かに、
顏色
(
かほいろ
)
青褪
(
あをざ
)
めて、
身
(
み
)
じろぎもせず
目
(
め
)
をつぶつてゐた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
これを見たものみな
身
(
み
)
の毛もよだち大地も
感
(
かん
)
じて三べんふるえたと云うのだ。いま私らはこの実をとることができない。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
とソフアに
掛
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
たオックスフオード
出身
(
しゆつしん
)
の
紳士
(
しんし
)
が
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
して
聞
(
き
)
いた。
其口元
(
そのくちもと
)
には
何
(
なん
)
となく
嘲笑
(
あざけり
)
の
色
(
いろ
)
を
浮
(
うか
)
べて
居
(
ゐ
)
る。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
まち
子
(
こ
)
は、ふと
昔
(
むかし
)
のことを
考
(
かんが
)
へると、なんとなく
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
が
急
(
きふ
)
にいとしいものゝやうに
思
(
おも
)
はれて、そのいとしいものをかい
抱
(
いだ
)
くやうに
身
(
み
)
をすくめた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
そうして、自分がめくらであることをよく改めて貰うかのように、顔を月下に
仰向
(
あおむ
)
けて
反
(
そ
)
り
身
(
み
)
になっているのである。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
けれど、いまのじぶんの
身
(
み
)
のふしあわせを思いだしますと、
涙
(
なみだ
)
がこみあげてきました。でも、しばらくたつと、またもや笑いだしてしまうのでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
といふのは、
少
(
せう
)
年
時
(
じ
)
代に両
親
(
しん
)
に
死
(
し
)
に
別
(
わか
)
れた一人つ子の青木さんは、
僅
(
わづ
)
かなその
遺産
(
ゐさん
)
でどうにか
修学
(
しうがく
)
だけは
済
(
す
)
ましたものの、全く
無財産
(
むざいさん
)
の
身
(
み
)
の上だつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そう思うた刹那、郎女の身は、大浪にうち
仆
(
たお
)
される。浪に漂う身……衣もなく、
裳
(
も
)
もない。抱き持った等身の白玉と一つに、水の上に照り輝く
現
(
うつ
)
し
身
(
み
)
。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
道翹
(
だうげう
)
は
身
(
み
)
を
屈
(
かゞ
)
めて
石疊
(
いしだゝみ
)
の
上
(
うへ
)
の
虎
(
とら
)
の
足跡
(
あしあと
)
を
指
(
ゆび
)
さした。
偶
(
たま/\
)
山風
(
やまかぜ
)
が
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
を
吹
(
ふ
)
いて
通
(
とほ
)
つて、
堆
(
うづたか
)
い
庭
(
には
)
の
落葉
(
おちば
)
を
捲
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
昨夜
亥刻
(
よつ
)
半(十一時)過ぎにお篠さんが、二百両の金を持って来て、お秋の
身
(
み
)
の
代金
(
しろきん
)
にこれだけ受取って来たから、これで私に身を立てろと言うんです。
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小刀
(
さすが
)
を
喉
(
のど
)
に
突
(
つ
)
き
立
(
たて
)
てたり、
山
(
やま
)
の
裾
(
すそ
)
の
池
(
いけ
)
へ
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げたり、いろいろな
事
(
こと
)
もして
見
(
み
)
ましたが、
死
(
し
)
に
切
(
き
)
れずにかうしてゐる
限
(
かぎ
)
り、これも
自慢
(
じまん
)
にはなりますまい。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“身(
体
)”の解説
体(體、躰、躯、身体、からだ)、身体(しんたい)は、生物学的かつ文化的に規定された、有機体としての人間や動物の構造を指す。人間は身体を通じて世界を経験し、世界を構成する。
(出典:Wikipedia)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“身”を含む語句
身上
身代
身長
身体
身装
生身
自身
身振
身辺
身性
正身
身動
独身
身丈
全身
刀身
身裝
御身
現身
総身
...