“唐縮緬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうちりめん76.5%
めりんす8.8%
たうちりめん8.8%
からちりめん2.9%
モスリン2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
唐縮緬(とうちりめん)の三(み)つ身(み)の袖には咲き乱れた春の花車が染め出されている。嬢やはと聞くと、さっきから昼寝と答えたきり、元の無言に帰る。
枯菊の影 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
颯(さっ)と開いた襖(ふすま)とともに、唐縮緬(めりんす)友染の不断帯、格子の銘仙(めいせん)の羽織を着て、いつか、縁日で見たような、三ツ四ツ年紀(とし)の長(た)けた姿。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大きく菊の花を染めた、派手な唐縮緬(たうちりめん)の衣服(きもの)を着た藤野さんの姿の交つたのは、村端(むらはづれ)の泥田に蓮華の花の咲いたよりも猶鮮やかに、私共の眼に映つたのであつた。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
凡(およ)そ十丈もあろうかと思うほどの、裸体の人形で、腰には赤の唐縮緬(からちりめん)の腰巻をさして下からだんだん海女の胎内に入るのです。入って見ると彼地此地(あちこち)に、十ヶ月の胎児の見世物がありましたよ。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
これも後には、白か紫の唐縮緬(モスリン)になり、哀れなほど腰の弱い安縮緬(ちりめん)や、羽二重(はぶたえ)絞りの猫じゃらしになったが、どんな本絞りの鹿(か)の子(こ)でも、ぐいと締る下町ッ子とは、何処か肌合(はだあい)が違っている。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)