赤と黄と、緑青が、白を溶いた絵の具皿のなかで、流れあって、虹のように見えたり、彩雲のように混じたりするのを、 「あら、これ——」 絵の具皿を持っていた娘は呼んだ。 「山田美妙斎の『蝴蝶』のようだわ。」 乙姫さんの竜の都からくる春の潮の、海洋 …
著者 | 長谷川時雨 |
ジャンル | 歴史 > 伝記 > 日本 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日本文学 |
初出 | 「東京朝日新聞」1937(昭和12)年3月27日~4月21日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約52分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1時間27分(300文字/分) |