“妓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
40.3%
おんな35.9%
9.7%
をんな5.8%
ひと3.4%
こども1.9%
げいしゃ0.5%
じょろ0.5%
はう0.5%
はおり0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
されば二十四、五の年増になっても十七、八の若い同様にお客の受けがよく、一度呼ばれれば屹度きっと裏が返るという噂さえあった。
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
長崎県五島の故郷へ出すおんなの手紙を代筆してやりながら、何故なぜこんな所へ来た? 親のため、そやけどこんな所とは思わなかったわ。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
時を嫌はず処を択ばず宴会の席にても衆人の中にても人は酒を飲みをひやかしつつある際にても不折君は独り画を画き画を談ず。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
そして神戸中検なかけん梅幸ばいかう奈良米ならよね、千代、国子……といつたやうなをんな達と一緒に自動車に乗つて、春先の京都を乗廻したといふ噂が立つた。
其処に唯一人、あのひとが立ったんです。こうがいがキラキラすると、脊の嫋娜すらりとした、裾の色のくれないを、潮が見る見る消して青くします。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
松井の女主人は、先夜会った時にその死んだ男のことをいって、長火鉢の前で多勢ほかのこどものいる傍で私を、冷笑するような調子で
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
隣の男は帰って往ったが、その夜友達と相談してげいしゃれて往って、垣にはしごをかけて門の中に入れて扉をことことと叩かした。桑はちょっとのぞいて
蓮香 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
山県やまがたさんとか伊藤さんとか、豪い方の奥さんは、歌妓げいしゃだと云いますから、歌妓でもおじょろでも、それはかまわないようなものの、お宅は物がたい家ですから
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「割合に評判のわるくないはうでしたんですけど……矢張、あゝいふ人には、わるい虫がつきやすいですからな」
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
中形の浴衣に糸巻崩いとまきくず昼夜帯ちゅうやおび引掛ひっかけという様子なり物言いなり仲町なかちょうはおりと思う人はあるかも知れぬが、ついぞこの間までちょうにいなすった華魁衆おいらんしゅうとはどうしてどうして気がつくものか。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
するとどこかの舟の中で琵琶びわをひく音がきこえる。その音は、この片田舎に似あわず、京都けいと声色せいしょくがあった。ぬしはたれぞと問うと、もと長安のうたで、いまはさる商人あきゅうどの妻なるものであるという。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新橋の何とかと云うだったってきいた事があるが、今の年でこの位なら若い時にはキットさわがれて居たんだろうと思う。
芽生 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)