“雛妓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おしゃく49.1%
おしやく20.0%
すうぎ10.9%
しゃく9.1%
こども7.3%
したじっこ1.8%
はんぎよく1.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ゆうべ、この千吉の妹のやつが、殺されたんです。いつぞやお話し申し上げた、柳橋から雛妓おしゃくに出ていたおはんというです」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張も、意地も、全盛も、芸ももとよりあえて譲らぬ。否、較べては、清葉が取立てて勝身は無い。分けてむこうは身一つで、雛妓おしゃく一人抱えておらぬ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
新造卸しの引出物の折菓子を与えられて、唇の紅を乱して食べていた雛妓おしゃくが、座を取持ち顔に、「愛嬌喚あいきょうわめき」をした。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
が、太鼓腹たいこばら突出つきだして、でれりとして、團扇うちは雛妓おしやくあふがせてるやうなのではない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白粉おしろいに汚れた赤い襟の平常着ふだんぎ雛妓おしやくのやうな姿をしたお光を連れて、愛宕神社あたごじんしやへ行つた時
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
雛妓おしやくや、若い藝妓達——力にさからはないやうに慣らされて居る女達——は、斯う艶めかしい合唱を響かせました。
それから本当に子供を虐待するのは、所謂「親方」や雛妓すうぎの抱主だろうが子供を親方や抱主に渡す親達は云うまでもなく生活の必要に迫られるからだ。
社会時評 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
その半空はんくうに仰ぎたる煙火の明滅を記憶すると共に、右に大妓たいぎを擁し、左に雛妓すうぎを従へ、猥褻わいせつ聞くに堪へざるの俚歌を高吟しつつ
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼方かなたに調子外れの浄瑠璃じやうるりに合はして、いとをあやつる老妓あれば、此方こなたにどたばたひまくられて、キヤツと玉切たまぎ雛妓すうぎあり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
盛装して一流の芸者とも見える娘。娘に「ちょっと入って頂戴ちょうだい」と云われて、そのあとから若い芸妓げいぎが二人とお雛妓しゃくが一人現れた。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そうするとそこにお雛妓しゃくがきまして舞うわけであります。
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「偉い男がお雛妓しゃくを可愛がる。そのように女が男を可愛がって何故わるいのだろう」そう云って、素性もいかがわしい若い男をひきつけて暮すのが婦人の自由の確立であったのなら、逆の隷属物としての女を、未亡人の立場で非人間に封鎖して来たえらい男の自由を、何の根拠で咎めるのであろう。
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
村正氏を先に立てて、一隊十余人の雛妓こどもは、有無なくこの一間に進入して、そうして、これから遊ぼうという、全く遊びたくない気分で遊ばなければならない。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
地味な気性でも若い芸妓である、雛妓こどものうちから顔馴染なじみの多い土地で住居うちをもったから、訪ねてくるものもある。
何もこれきりお前の処へ来ないという訳でも無く盆暮には屹度きっと顔を出させるようにします、差支さしつかえは有りますまいが、またういう雛妓こどもを抱えいとか
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大丈夫だよ、お前が前橋へ来た時には私は貧乏して居たが、縁と云うものは妙だね、私が芝居町で芸妓げいしゃをして居た時分に、まだ私が十五六で雛妓したじっこで居た時分からお前さんに岡惚をして居て、みんななぶられて居るうち
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
左様さやうですつてネ、雛妓はんぎよく落籍ひかして、月々五十円の仕送りする交際つきあひも、近頃外国で発明されたさうですから——我夫あなた、明日の教会の親睦会しんぼくくわいは御免を蒙ります、天長節は歌舞伎座へ行くものと、往年むかしからわたしの憲法なんですから」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)