“豕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いのこ39.1%
ぶた32.6%
ゐのこ19.6%
4.3%
2.2%
2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御主人は時々振り返りながら、この家にいるのは琉球人りゅうきゅうじんだとか、あのおりにはいのこが飼ってあるとか、いろいろ教えて下さいました。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
李汾りふんは山水が好きで四明山しめいざんにいた。山の下に張という大百姓の家があって、たくさんのぶたなどを飼ってあった。永和の末であった。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
食後の半時間——この半時間の無駄話は、そんぢよそこらの日本の紳士をゐのこのやうな馬鹿者にしてくれた。何といふ有難い事だ。
その彼が、結局自分も彼等と同じ能力の所有者だつたと云ふ事を、さうして更にいとふ可き遼東れうとうだつたと云ふ事は、どうして安々と認められよう。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
左に雛妓すうぎを従へ、猥褻わいせつ聞くに堪へざるの俚歌を高吟しつつ、傲然がうぜんとして涼棚りやうはうの上に酣酔かんすゐしたる、かの肥大の如き満村恭平をも記憶す可し。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
漢土最古の字書といわるる『爾雅じが』に、は猪とあり。『本草綱目』にも豕の子を猪といい、豚といい、豰というと出るから、豕和訓イ、俗名ブタの子が猪、和訓イノコだ。