“いのこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イノコ
語句割合
47.4%
18.4%
居残10.5%
7.9%
猪子5.3%
亥子2.6%
亥猪2.6%
居殘2.6%
玄猪2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お勢は今はなはだしく迷っている、いのこいだいて臭きを知らずとかで、境界きょうがいの臭みに居ても、おそらくは、その臭味がわかるまい。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
いのこ伯父(たぶん今三保にいるのだろうと思う、もしいなければ除く)
獄中消息 (新字新仮名) / 大杉栄(著)
「大河さんがおひとりで居残いのこっていらしって、お風呂に水をいれていただいていたものですから、ごいっしょにお食事をしていただくことにしましたの。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
春さきの山兎は采女うねめをねらふほどに難かしいな。……あんまり業腹だから、帰りに放ち飼の黒いのこを一匹しとめようかと思つたが、まづまづと腹の虫をおさへて来た。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
光忠にを負わせて、同時に斬り死にした織田家の士は猪子いのこ兵助だといわれている。村井春長軒も、唐橋門の下で討死にした。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宿に帰って聞けば、きょうは亥子いのこの祭りだという。あまたの小天狗はそれがために出現したらしい。空はやがて時雨しぐれとなった。神通力じんつうりきのない天狗どもは、雨のなかを右往左往に逃げてゆく。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
爾は亥猪いのこを好むか。奴国の亥猪は不弥の鹿よりあぶらを持つであろう。不弥の女よ。我を見よ。我は王妃を持たぬ。爾は我の王妃になれ。我は爾の好むかえるこいとを与えるであろう。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
えて一トつき雲黒くもくらつきくらきゆふべ、らう居殘いのこりの調しらものありて、いゑかへりしはくれの八いつもうすくらき洋燈らんぷのもとに風車かざぐるま犬張子いぬはりことりちらして、まだ母親はゝおや似合にあは美尾みをふところおしくつろげ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「見よ、大兄、なんじの勾玉は玄猪いのこつめのようにけがれている。」と、卑弥呼はいって、大兄の勾玉を彼の方へ差し示した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)