いのこ)” の例文
陽貨ようか、孔子を見んと欲す。孔子まみえず。孔子にいのこおくる。孔子其の亡きを時として、往きて之を拝す。これみちに遇う。孔子に謂いて曰く、来れ、われなんじと言わんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
春さきの山兎は采女うねめをねらふほどに難かしいな。……あんまり業腹だから、帰りに放ち飼の黒いのこを一匹しとめようかと思つたが、まづまづと腹の虫をおさへて来た。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
いのこ、酒、土産物の種々くさぐさなど、しきりに買物しながら、わが主劉皇叔には、この度、呉侯のお妹姫と婚礼を挙げるのじゃと、彼方此方で自慢半分にしゃべったものですから
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)