“しし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シシ
語句割合
獅子35.0%
10.8%
孜々10.6%
四肢9.6%
死屍7.0%
嗣子4.5%
4.0%
鹿3.2%
刺史2.5%
尿1.5%
1.3%
子思0.8%
0.6%
野猪0.6%
四子0.4%
志士0.4%
猪鹿0.4%
孜孜0.4%
孳々0.4%
猪肉0.4%
四至0.2%
小便0.2%
史糸0.2%
史詩0.2%
子祀0.2%
市肆0.2%
師子0.2%
御子0.2%
指示0.2%
指趾0.2%
枝々0.2%
梓氏0.2%
死志0.2%
0.2%
獅々0.2%
矢矢0.2%
示指0.2%
肢指0.2%
肥肉0.2%
詩旨0.2%
詩詞0.2%
豕々0.2%
豕脂0.2%
賜詩0.2%
鹿猪0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
恐ろしき六月十八日の様はよみがえってき、人工の記念の丘は消え、何かのその獅子ししの像も消散し、戦場はまざまざと現われて来る。
二人の浪士が、こじりを上げて、疾風を切るししみたいに、追いかけていた。一人の浪士の着物のえりに、赤い吹矢が、突き刺さっていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分は生れながらにして何も知っている者ではない。古聖の道を好んで、ただ孜々ししとして求めて倦まないものだ。」とか
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
立ち昇る白煙の下を、猛獣は剥製はくせいひょうのようにピンと四肢ししを伸ばして、一転、二転、三転し、ついに長々と伸びたまま動かなくなった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
山は焼け、渓水たにみず死屍ししで埋もれ、悽愴な余燼よじんのなかに、関羽、張飛は軍をおさめて、意気揚々、ゆうべの戦果を見まわっていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金を掛けてわざわざ変人になって、学校を出ると世間に通用しなくなるのは不名誉である。外聞がわるい。嗣子ししとしては不都合と思う。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自ら先に乾坤の刀争裡とうそうりに馳駆するだけあって、その眼は鷲のような鋭光を放ち、固く結んだ口もと、ししおきのりしまった肩から腕の外見
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
一日鹿ししたにに法然院を尋ねた後銀閣寺に入つてわたしは案内者の説明を聞いてゐる中、偶然以上のやうな事を感じて踵を囘した。
十年振:一名京都紀行 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
これなん先頃から洛陽郊外の澠池べんちに兵馬をめたまま、何進が再三召し呼んでも動かなかった惑星わくせいの人——西涼せいりょう刺史しし董卓とうたくであった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よけいなお世話のようですが、さっき掛けた女衆が、嬰児あかご粗相そそうをさせたんでまだ、尿ししれている筈で、——お値だんは同じ事、こちらへ、お腰かけなさいまし」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この太子ひつぎのみこの御名、大鞆和氣おほともわけの命と負はせる所以ゆゑは、初め生れましし時に、鞆なすしし御腕みただむきに生ひき。かれその御名に著けまつりき。ここを以ちて腹ぬちにましまして國知らしめしき。
子思ししは「あるいは生れながらにこれを知り、あるいは学んでこれを知り、あるいはくるしんでこれを知る」
家猪ぶた野猪しし、野獸を甚だ稀に且つ竊に食ひ、しやも、かしはの鍋屋さへ甚だ少かりしほど肉食をなすこと稀なりしに引替へて
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ラクシャンの第四子しし、末っ子だ。
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
政治を論じたり国事を憂いたりする事も、恐らくは貧家の子弟の志すべき事ではあるまい。但し米屋酒屋の勘定を支払わないのが志士しし義人ぎじんの特権だとすれば問題は別である。
正宗谷崎両氏の批評に答う (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これより後、淡海の佐佐紀ささきやまの君がおや、名は韓帒からふくろ白さく、「淡海の久多綿くたわた蚊屋野かやのに、猪鹿ししさはにあり。その立てる足は、すすき原の如く、指擧ささげたるつのは、枯松からまつの如し」
この頃に孜孜ししとして研鑽を重ねたひとが後に名をなしたのです。
明治懐顧 (新字新仮名) / 上村松園(著)
得テ年来ノ宿望漸ク将ニ成ラントスルヲよろこビ奮ツテ自ラ其説文ヲ起コシ其図面ヲ描キ拮据きっきょ以テ日ニ其業ニ従ヘリ而シテ其書タル精ヲ極メひらキ以テ本邦今日日新学術ノ精華ヲ万国ニ発揚スルニ足ルベキモノト為サント欲スルニ在ルヲ以テ之ヲス必ズヤ此ニ幾十載ノ星霜ヲ費ス可ク其間日夜孳々しし事ニ之レ従ヒ其精神ヲ抖擻とそうシ其体力ヲ
猪肉ししか牛肉のくし刺しが付いているのを見ると
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
売買譲与の証文には四至ししと称して、所在と反別の他に四方の堺にあるものを掲げることになっていたが、これでは平素の用は足りずそのまた隣の地にも何とか名がなければすまなかった。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
けれどもそれだけではやはり分劃等に不便であったとみえて、荘園の堺を示すに用いたのと同じ方法で、四至ししというものを使っている。たとえば東限溝・北限何太夫作・西限道の類である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それは粗相をした延宝で、小便ししがしたくなつても、じつと坐を立たないで、その儘袴のなかにもらしてそ知らぬ顔をしてゐたところに、たしかに五十四郡の太守たる貫目くわんめがある。
「親方、かんにんしとくなはれや、小便ししたのは延宝さんやおまへん、わてだすよつてな。」
素材の史糸ししはどこまで史家の糸で織って行きたいと思うし、またすこしでも往時おうじの実際を紙背しはいに読む読者の試案にもなろうかと、折にふれお目にかけているにすぎない次第である。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
實際じつさいまた熱帶國ねつたいこくには不思議ふしぎ動物どうぶつれば、不思議ふしぎ植物しよくぶつもある。これすこかたちへると化物ばけものになる。印度いんどじつ化物ばけもの本場ほんばであつて、神聖しんせいなる史詩ししラーマーヤナとうには化物ばけもの澤山たくさんる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
どうじゃ。驚いたかな。わしの名はな、子輿しよというてな、子祀しし子犁しれい子来しらいという三人の莫逆ばくぎゃくの友がありますじゃ。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
よつすみやかやかた召返めしかへし、いて、昌黎しやうれいおもてたゞしうしてふ。なんぢずや、市肆しし賤類せんるゐ朝暮てうぼいとなみに齷齪あくさくたるもの、一事いちじちやうずるあり、なんぢまなばずしてなにをかなすと、叔公をぢさん大目玉おほめだまくらはす。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もし諸鳥獣その辺に至らば皆同一色いわゆる金色なればすなわち師子しし獣王と同色なり、諸鳥獣既に師子と同一金色なりといえどもその力勢功徳名称ことごとく師子王と等しからず
空色の長衣を着、白い帯をしめ、御子しし鼻に金の鼻眼鏡をかけ、腕の赤い、胴の大きな、肥満した年増の婦人が、シューマンとブラームスとの二、三の歌曲リードを、しっかりした声で歌った。
我は我の神を拝しただこれにのみつかうべしと、基督の決心ここにおいて定まり、生涯の行路彼に指示ししされたれば、悪魔は彼を説服ときふくするに由なく、ついに彼を去りたれば天使来りて彼につかえたり。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
蒼黒あおぐろくむくんだ、溺死者できししゃのような相貌になり、手足は極端にまで痩せ、まぶた指趾ししは絶えず顫戦せんせんし、唇からはよだれが垂れた。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
告げ来り、告げ去り、もはやここの本陣も、さながら暴風の中心に立つ一木の如く、枝々ししみな震い樹葉みなふるえた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明和めいわ戊子ぼし晩春、雨れ月朦朧もうろうの夜、窓下さうかに編成し、以て梓氏ししあたふ。題して雨月物語うげつものがたりふと云ふ。剪枝畸人せんしきじん書す。
……あとは孔明にべつの計りもあれば、味方を思わず、その一ヵ所を一の戦場として死志ししを励め
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
香爐かうろししやうながせる、——
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
「では大したものだ、獅々ししとか、吉簡きっかんとかいう秘曲もふけるのじゃろ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
矢矢しし相属し、発発はつはつ相及んで、後矢の鏃は必ず前矢の括に喰入るが故に、絶えて地にちることがない。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
左の示指しし拇指ぼしで、作左衛門の首筋をピタリと押えた佐の市、これは圧手おしでと言って、その道ではなかなかやかましいもの。
禁断の死針 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
肢指しし脊椎せきついの屈伸に強くあらわれた。
おさん (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
肩幅広く、胸張りて、頬に肥肉ししつき、顔まろく、色の黒き少年なりき。腕力ちからもあり、年紀としけたり、門閥もたっとければ、近隣の少年等みな国麿に従いぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或人(同)曰く、歌ふを旨とすると、思を述ぶるを旨とするとは、詩旨ししにおいても詩形においても、自らその趣を異にすべきは当然の理義なるが故に、云々。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
尋常一様詩詞ししの人の、綺麗きれい自ら喜び、藻絵そうかい自らてらい、しこうして其の本旨正道を逸し邪路にはしるを忘るゝが如きは、希直きちょくの断じて取らざるところなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
近世豚の字を専らブタとむ。この語何時いつ始まったかを知らぬ。『古今図書集成』の辺裔へんえい三十九巻、日本部彙考七に、明朝の日本訳語を挙げた内に、羊を羊其ようき、猪を豕々ししとして居る。
ミ翁また若返り、二術士を二に化し、自らその一にり、のち山より投下す。今一の驢に豕脂ししを負わせ、報酬として鼠どもに贈るとある。
又其の賜詩しし三首の一に
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なお山部赤人の歌に、「朝猟に鹿猪ししみ起し、夕狩に鳥ふみ立て、馬めて御猟ぞ立たす、春の茂野しげぬに」(巻六・九二六)がある。赤人のには此歌の影響があるらしい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)