“衒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てら85.8%
4.5%
げん2.2%
かた1.5%
1.5%
かたり0.7%
てろ0.7%
ひけ0.7%
ひけら0.7%
テラ0.7%
ヒケラ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先生の博士問題のごときも、これを「奇をてらう」として非難するのは、あまりに自己の卑しい心事をもって他を忖度そんたくし過ぎると思う。
夏目先生の追憶 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
彼は別にれもせずに云った、「考えてみると私も二十六になったし、もう嫁を貰っても早すぎはしないと思うんですが」
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ひるがえって芭蕉はいかんと見ればその俳句平易高雅、奇をげんせず、新を求めず、ことごとく自己が境涯の実歴ならざるはなし。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
といひて内侍の方へ思入おもいいれあり「かたり取つたる荷物の内に、うやうやしき高位の絵姿、弥助がつらに」といひかけ「あなたのお顔に生きうつし」と云替へ
しかし、恥を知らぬ、自堕落な連中が、どこ迄も只道楽を道楽として臆面もなく下等に馬鹿話を吹聴ふいちやうし合つてゐる時、一人沈黙を守るのは偽瞞でもなければる事でもない。
所由いわれを聞き「なるほど解りやした、当節かたりがはやるから、それで二重どりをさせねえ魂胆こんたん、よくしたものでごぜえやすねえ」
一肌一容いっきいちよう、体をつくし、研を究めようとも、彼は学んで而してこれをなし得るのではないから、示して以て能を誇るのでもない。いわんやてろうて以てひょうするものでないことは勿論である。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それまで彼は歴々れっきとした生みの親のある、家の後取娘として、何かにつけておとらからひけらかす様に、隔てをおかれるお島を、のろわしくも思っていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
暗に幾人かの女を世話していることをひけらかし、自身の金力と親切を誇示するかのような態度に、好い気持のするわけもなく、それに目をつぶるとしても
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
標準語自負を持つた大都市相互の間、或はその一つ都会においてすら、言語テラひする奴や、初期の歌舞妓衆の、自由過ぎた選択が行はれてゐた。
「さうや さかいに」 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
役者をひいきすると言ふ事も、いろ/\あるが、ぱとろんとしての誇りをヒケラかすことも出来ず、又、好色に泥んで縁の下の力持ちをする気にもならぬ。さう言つた役者びいきが随分あると思ふ。
芝居見の芝居知らず (新字旧仮名) / 折口信夫(著)