“げん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ゲン
語句割合
15.7%
13.8%
13.1%
10.6%
6.6%
6.1%
5.5%
5.1%
4.5%
3.0%
2.7%
2.5%
1.9%
1.7%
0.9%
0.8%
0.8%
0.8%
0.6%
0.6%
0.4%
0.4%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
気嫌0.2%
縁喜0.2%
縁起0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゴンクウルのげんを借りていへば、あたかも種紙たねがみおもての卵を産み落し行くが如く、筆にまかせて千差万様せんさばんようを描きしものにして
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あらそ將棋せうきやぶれていて死ぬなどは一しゆ悲壯ひそう美をかんじさせるが、迂濶うくわつに死ぬ事も出來ないであらうげん代のせん棋士きしは平ぼん
開いた窓から、その花瓶を、三げんばかりむこうのコンクリート塀へ、力一杯投げつけたのだ。花瓶は塀に当って粉々に砕けてしまった。
何者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
何ぞかん、俗に混じて、しかもみづから俗ならざるには。まがきに菊有り。ことげん無し。南山なんざんきたれば常に悠々。寿陵余子じゆりようよし文を陋屋ろうをくに売る。
げんの末には天下大いに乱れて、一時は群雄割拠の時代を現出したが、そのうちで方谷孫ほうこくそんというのは浙東せきとうの地方を占領していた。
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
東河、名ははうあざなは文平、一号は払石ふつせきである。書をげん東江に学んだ。泊民名は逸、碩翁と号した。亦書を善くした。魚来は未だ考へない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
勿論そうなっては、熱い湯も、熱い奴も、却ってその苦患くげんをはッきりさせるばかり、決して以前のようないやちこなげんをみせなかった。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
苛烈なげんをもって彼らの汗を強要すれば、彼らにはまた特有な彼らの怠ける戦法は幾らでもある。さすがの官兵衛も、手を焼いた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この、あやしい部下の心理を醸成じょうせいしたものは、万余の大軍はあっても、そこにげんたる統率がなかったという、ただ一事に尽きる。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それゆゑ日本にほん經濟けいざい立直たてなほ必要ひつえうがあるのであるが、經濟けいざい立直たてなほしが出來でき累年るゐねんつゞ輸入超過ゆにふてうくわげん國際貸借こくさいたいしやく改善かいぜんせられてはじめきん解禁かいきん出來でき
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
末と云ふ女中はお照の事を奥様と云つて居る。畑尾は先刻さつき頼まれて帰つた事の挨拶に二三げんうちへ出掛けて行つたのである。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
するとこのとき、長江の上流から矢のごとく流れてきた一隻の快舟はやぶねがあり、ざ、ざ、ざ、とげんにしぶきを見せながら近づいて来るやいな
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仰いで皎日こうじつて、目ことごとげんして後、赤豆せきとう黒豆こくとうを暗室中にいて之をべんじ、又五色のいとを窓外に懸け、月に映じてその色を別ってあやまつこと無く、しかして後に人を相す。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
幕府に気味悪がられる程度はいいが、げんを放っては万事休す。——で、わしは徳島城へやってきた、何でもかでも、阿波守様に、その無謀を思い止まらせんためじゃ。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お辰かと珠運もだきしめてひたいに唇。彫像が動いたのやら、女が来たのやら、とわつたなく語らば遅し。げんまたげん摩訶不思議まかふしぎ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『えい、ふざけたり/\、海賊かいぞくどもものせてれんづ。』と矢庭やには左舷さげんインチ速射砲そくしやほうほうせたが、たちま心付こゝろづいた、海軍々律かいぐんぐんりつげんとして泰山たいざんごと
東海の黄公少時げんを能くし蛇や虎を制するに赤金刀をぶ、衰老の後飲酒度を過ぐ、白虎が東海にあらわれたので例の赤刀を持ちまじないに行きしも術行われず虎に食われた
午迄ひるまでこんな姑息こそく手段しゆだんえずひたひやしてたが、一向いつかうはか/″\しいげんもないので、御米およね小六ころくのために、わざ/\きて、一所いつしよ食事しよくじをする根氣こんきもなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ひるがえつて芭蕉は如何と見ればその俳句平易高雅、奇をげんせず、新を求めず、ことごとく自己が境涯の実歴ならざるはなし。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
心は境にしたがッてその相をげんずるとかで、叔母にこう仕向けられて見ると万更好い心地もしない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
まして大夫たゆうげんは思い出すだけでさえ身ぶるいがされた。何事も豊後介ぶんごのすけの至誠の賜物たまものであることを玉鬘も認めていたし、右近もそう言って豊後介をめた。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
專ら運用うんようを指せば、則ち形前も亦之を氣と謂ふ、ならびに不可無し。浩然かうぜんの氣の如きは、專ら運用を指すも、其の實太極たいきよく呼吸こきふにして、只是れ一せいなり。之を氣げんと謂ふ、即ち是れ理なり。
霞亭が京都に遊学してゐた第二年、寛政十年に霞亭の弟げんが的屋から出て来た。そして霞亭の友源玫瑰げんまいくわいと云ふものに師事した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
九月上旬には少しくむだ。「九日有登七老山之期、臥病不果、口占。望山不得登。対酒不思嘗。枕辺如欠菊。何以過重陽。」十九日には亡弟げんの法要を営んだ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
さらには、管鎗くだやりを持ったげん小七だの、野太刀やかいを振りかぶる小二、小五などの三兄弟のほか、この浮巣島の漁民十数人も加わって
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜に入るまで、飲み興じ、あくる早暁には、すでにげんの三兄弟は、もとの石碣村せっかそんへ、ひょうとして立ち帰るべく、朝飯をいそいでいた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
警官けいくわん出張しゆつちやうさしてげん取締とりしまりけたのであるが、それでも參詣人さんけいにんは一かうげんい。
ハガキの作者はベランメー型で、筆で委曲がつくしがたいから、げんコの代りに呼びすてにして溜飲を下げているらしい。長文の手紙の作者は必殺の文字に自信があるから、悠々敬称をつけてくれる。
巷談師 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
惜しいのばかり取り残しておいた書籍ほんを売ったりしてやっといるだけのぜにを工夫してお宮の気嫌げんをとりにやって来たのだ。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「さうどすかな、困つたえな。ぢき正月やのに、病人が居ては縁喜げんが悪るいえな。」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
縁起げんたれの悪いこと云うてくれるな。手前とこは谷川って云うやら。俺とこは山本や。」
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
木がげん照のなかから生えたつとき
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
えらび御親子御對顏の儀計らひ奉るべく就ては御日げん御沙汰おさたねがひ奉るとの儀なれば將軍吉宗公には是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すみ屋七郎兵衛の北の方は安南王族げん氏のしゅつで、安南では権勢を持っているということなので、破船の取得しゅとくを願いあげた。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)