“けん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ケン
語句割合
30.8%
13.9%
6.3%
5.2%
4.9%
3.9%
3.5%
3.1%
2.8%
2.6%
2.5%
2.4%
1.8%
1.7%
1.3%
1.0%
0.9%
0.9%
0.8%
0.8%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
一軒0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
四軒0.1%
二間0.1%
五間0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
藤八拳0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
𡸴0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新九郎は何事が起ったのか、しばらくわからなかったが、やがて五、六けんばかり前へ、麓から急ぎ足に上って来た黒頭巾の男を見た。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ただいま。叔母おばさんのいえからだいぶはなれていましたから、いきませんでした。三けんばかりけて、やっといましがたえました。」
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつものとおりはきはきとした手答えがないので、もうぎりぎりして来た葉子はけんを持った声で、「愛さん」と語気強く呼びかけた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
剣閣のけんに拠って、鍾会しょうかい対峙たいじしていた姜維きょういも、成都の開城を伝え聞き、また勅命に接して、魏軍に屈伏するのやむなきにいたった。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
身は一けん独立のごとくして、心は娼妓しょうぎよりもなお独立なく他人に依頼し、しかも他人の愛憎あいぞうによりその日を送れるものが多々たたありはせぬか。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「あなたは、わしの刀を足げにした。わしだって、せめてそのあなたの頭へ、一けん与えるぐらいな返報をせねば、虫がおさまらぬ」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
面長おもながの、老人だから無論しわは寄っていたが、締った口元で、段鼻で、なかなか上品な面相かおつきだったが、眼が大きな眼で、女には強過きつすぎる程けんが有って
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
丁度同時に硯友社けんゆうしゃの『我楽多文庫がらくたぶんこ』が創刊された。紅葉こうようさざなみ思案しあんけんを競う中にも美妙の「情詩人」が一頭いっとうぬきんでて評判となった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
しかし、いち自動車じどうしや手負ておひごときは、もののかずでもない、たゝかへば驕將けうしやうは、張中ちやうちうせつれなかつた。ゆうなり、またけんなるかな。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しばらくかがみ込んでいるうちに、毒気のさめた孫兵衛の顔——白く青味の蔭をもって、常の悪相に加えて、ひときわ鋭いけんが立った。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾輩も種取りけん人間研究のため、主人にして忍びやかにえんへ廻った。人間を研究するには何か波瀾がある時をえらばないと一向いっこう結果が出て来ない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大きな石燈籠いしどうろうでもけんずると、私生活は出鱈目で冷酷でも、極樂行の旅券は無條件でもらへるやうに思ひ込んでゐる人も少くはありません。
それがさ、一けんぢやからたまらぬて、るとうぐら/\してやはらかにずる/\とひさうぢやから、わつといふと引跨ひんまたいでこしをどさり。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なぜならば、今、上月城にたてこもっている尼子一族の孤軍は、織田家を頼って、数年来、その先駆的な役割を、毛利勢力けんの敵地につとめて来たものだ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
庄太郎が女にさらわれてから七日目の晩にふらりと帰って来て、急に熱が出てどっと、床にいていると云ってけんさんが知らせに来た。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今は隱退いんたいしてゐる小菅けんすけろうだん關根せきね金次郎名人にむかつて、としをとるとらく手がありちになる。らく手があるやうでは名手とは言へぬ。
いま十五少年諸君の行動をけんするに、なんしょしてくっせず、事にのぞんであわてず、われわれおとなといえども及びがたきものがすこぶる多い。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
明治めいじ四(一八七一)ねんには、いままでのはんをやめて、あたらしくけんをおくことになりました。とのさまも、政府せいふ役人やくにんとおなじになったわけです。
Foxterriersフォックステリエエ の筋肉のようです。けんがしっかりしていて太いので、関節の大さが手足の大さと同じになっています。
花子 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ところがれは、町奉行まちぶぎやうといふおも役目やくめうけたまはつて、おほくの人々ひと/″\生殺與奪せいさつよだつけんを、ほそたなそこにぎるやうになるとたちまち一てんして、れの思想しさう
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「それは普通ふつう無智むちおんなたいしてのことさ。IならS、Hくんでもきつとおとなしくするよ。」わたし自家じかけん遜の意味いみつたが、いくらかの皮肉ひにくもないとはへなかつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
もなく自分じぶん志村しむら中學校ちゆうがくかうることゝなり、故郷こきやう村落そんらくはなれて、けん中央ちゆうわうなる某町ぼうまち寄留きりうすることゝなつた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
細長い島の遥かなる岬のような端、薔薇の花壇の向側の芝生の禿げたところに、二人の決闘者は早やけんを合していた。
一新いつしんはじめ、大久保公遷都せんとけんじて曰ふ、官軍已につと雖、東賊とうぞく猶未だほろびず、宜しく非常ひじやうだんを以て非常の事を行ふべしと。先見の明と謂ふ可し。
第一、分析力=けん別力。ものの一見わずかな違いが見逃されると重大な誤算が産まれる。明晰な頭脳、鋭い頭と呼ばれるもの。多少数学的な素質。
思想としての文学 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
されど、嗚呼ああされど、予はけんに臨んで、なほ惶々くわうくわうとして自ら安からざるものあるを覚ゆ。おもふに予が過去を点検し記載するは、予にとりてふたたび過去の生活を営むと、畢竟ひつきやう何の差違かあらん。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
午後四時半体温をけんす、卅八度六分。しかも両手なほひややか、この頃は卅八度の低熱にも苦しむに六分とありては後刻のくるしみさこそと思はれ、今の内にと急ぎてこの稿をしたたむ。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
武矦ぶこう西河せいがうかびてくだる、中流ちうりうにしてかへりみて呉起ごきつていはく、『なる哉乎かな山河さんがかため、魏國ぎこく寶也たからなり』と。こたへていはく、『((國ノ寶ハ))とくりてけんらず。 ...
特に眼瞼まぶたのあたりは滴るやうな美しさで、その中に輝いてゐる怜悧さうなやゝけんのある双の瞳は宛然さながら珠玉たまのやうだ。暑くなつたのだらう、切りに額の汗を拭いて、そしてびんをかき上ぐる。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
元洋もまた杉田門から出た人で、後けんと称して、明治十八年二月十四日に中佐ちゅうさ相当陸軍一等軍医せいを以て広島に終った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
此山の標準みちしるべ日本ひのもとの北海へながれきたりたる其水路すゐろ詳究しやうきゆうせんとて「唐土もろこし歴代れきだい州郡しうぐん沿革地図えんかくちづ」により清国いまのから道程みちのり図中づちゆうけんするに、蛾眉山は清朝いまのからみやこへだつこと日本道四百里ばかりの北に在り
いさぐるピアノのけんうつつなき高音たかねのはしり
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
日蓮上人、為兼卿ためかねきやう、遊女初君はつきみとう古跡こせきもたづねばやとおもひしに、越後に入りてのち気運きうんじゆんうしなひ、としやゝけんしてこくねだん日々にあがり人気じんきおだやかならず。
けんにしてかい、肯定にして否定とは正に『それだけだ』のいいでありましょう。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
〔譯〕誠否せいひは、須らく夢寐むびちゆうの事に於て之をけんすべし。
そののことであります。このまちから火事かじて、おりしもつのった海風かいふうにあおられて、一軒けんのこらずきはらわれてしまいました。いまでも北海ほっかい地平線ちへいせんにはおりおりくろはたえます。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、いうのは三筋のみゃく、天地人の三脉に添って、そんの位置からけんの位置まで斜めにタコが出来ている。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その一けんの數七八十餘名の多きに達し、而してそのの數もまた七八組に及ぶこと尠なからず。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
北宋の代にまさる芸術のはなが、ふたたび南宋の御府にけんを競わんとする風を示した。が、それはやはり民衆の生活とその繁栄とは縁もなく発達してゆきそうであった。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
チョット考えておるようで御座いましたが「まあだナカナカ腐るもんじゃない。それよりも最早もう夜が明けとるけん、御飯をば喰べに降りて来なさい」
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
濡れ手を拭き拭き私を物蔭に呼びまして「二十歳はたちにもなっとるけん間違いはなかろうが、まだ帰らぬ模様ごとあるけん、そこいらまで見に行ってくれまいか」
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
じんは以て下にあつけんは以てもちゐるにたるくわしてゆるめずくわんしてよくだんずとされば徳川八代將軍吉宗公の御治世ぢせい享保年中大岡越前守忠相殿たゞすけどの勤役きんやく數多あまた裁許さいきよ之ありしうち畔倉あぜくら重四郎ぢうしらう事蹟じせき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
じんは以てしもあつけんは以てもちゐるにたるくわにしてゆるめずくわんにしてよくだんずとまことなるかな徳川八代將軍吉宗公の御代名譽の官吏やくにん多しと雖も就中なかんづく大岡越前守忠相たゞすけ殿は享保二年より元文元年まで二十年のあひだ市尹まちぶぎやう勤役中きんやくちう裁許の件々其明斷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あや車屋くるまやから四軒けんめのうちかぞえてゆきますと、そのうちは、はや、まっていました。が、のすきまから燈火あかりがさしていました。
海ほおずき (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしうちは、このみちをどこまでもまっすぐにいって、たったらひだりがって、一丁ちょうばかりゆくと車屋くるまやがある。それから四軒けんめのうちです。うみほおずきがたくさんありますよ。」
海ほおずき (新字新仮名) / 小川未明(著)
互いに暗涙あんるいむせびけるに、さはなくて彼女は妾らの室をへだつる、二間けんばかりの室に移されしなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
急いで追付いて手を引張ったけれど、また押返されて、くッついたり離れたりして四、五間けん歩いて行ったのよ。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
門人かけんか見え候故、しばらく話し申候。寝てゐる程の事にもあらず候。このかん学問もあり画もよく候。逢不申残念に御坐候。私気色は春よりいろ/\あしく候。然ども浪食もとのごとくに候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「どんなことでも。」と、皇帝はおっしゃりながら、たちあがって、ごじぶんで皇帝のお服をめして、金のかざりでおもくなっているけんを、むねにおつけになりました。
馬をう者厩中にこれをえばく馬病を避く、故に胡俗こぞく猴を馬留ばりゅうと称す、かたち人に似、眼愁胡のごとくにして、頬陥り、けん、すなわち、食をかくす処あり、腹になく、あるくを以て食を消す
「空がげるようだ。——羅馬ロウマ法王の冠かも知れない」と甲野さんの視線は谷中やなかから上野の森へかけて大いなるけんえがいた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この富強は、われわれ臣下の子孫をして、懦弱安穏だじゃくあんのんをぬすむために、築かれてきたものではありますまい。一世けん君のご創業の苦心、二世策君の血みどろなご生涯。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たゞちにそを棄て去りしといふ、そのせきを逸するのけんあるものから、かくはことわりおくのみ。
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
わたくしはまた後に五弓雪窓ごきゅうせっそうがこの文を『事実文編じじつぶんぺんけんの七十二に収めているのを知った。国書刊行会本をけみするに、誤脱はないようである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
高島田に花笄はなこうがいの、盛装した嫁入姿の窈窕ようちょうたる淑女が、その嫁御寮に似もつかぬ、卑しげなけんのある女親まじりに、七八人の附添とともに、深谷ふかや駅から同じ室に乗組んで
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けんが恥についてたずねた。先師がこたえられた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
南縁なんえんけんを迎うるにやあらん、腰板の上にねこかしらの映りたるが、今日の暖気に浮かれでし羽虫はむし目がけて飛び上がりしに、りはずしてどうと落ちたるをまた心に関せざるもののごとく
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
そのうちに、ぼく、ラプランドけんから、ひとりの男がキツネを買いにきているって話を聞いたんです。
奧方お喜佐、弟けん之介、愛妾にして女中のお町、用人村川菊内、中間勝造、庭掃の三吉爺を始め、二人の小侍、門番、——までズラリと竝べました。
又璿[#「璿」は底本では「※」]の弟けん遼東りょうとう鎮守ちんじゅ呉高ごこう都指揮使としきし楊文ようぶんともに兵を率いて永平えいへいを囲み、東より北平を動かさんとしたりという。二子の護国の意の誠なるも知るべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして前の方に鰕の鋏のやうな二つの鋏を持つてゐて、背中は節だらけで、うねつた尾の端にけんがある。鋏は、つまらない嚇し道具で、害にはならない。それは、尾の端の螫で武装してゐるのだ。
賞罰の条、宜しく是の如くなるべからず。譔の如き者に至りては、三生の賤士、一介の窮儒、左枝右梧さしうごするも、未だ児啼女哭じていじょこくを免れず。東塗西抹とうとせいまつ、命のけんし時のそむけるを救わず。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
〔譯〕くわいる者は能くけんを見る。顯にる者は晦を見ず。
故に無事なるものは午砲を聞きて昼飯を食ひ、忙しきものは孔席こうせきあたゝかならず、墨突ぼくとつけんせずとも云ひ、変化の多きは塞翁さいをうの馬にしんにうをかけたるが如く、不平なるは放たれて沢畔たくはんに吟じ
人生 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すると、一たん列車から下りて、あの山路を越えていかねばならないが、あの重い機械化された部隊が、あの𡸴けんを越えていくのは、たいへんな手間でもあり、時間つぶしであった。
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)