“蹇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あしなえ25.0%
あしなへ15.0%
あしな10.0%
かゝ10.0%
なへ10.0%
ゐざり10.0%
かか5.0%
けん5.0%
ちぢ5.0%
なや5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大神ゼウスあぶを放ちて馬をさしめ、飛馬狂うてベを振り落し自分のみ登天す。ベは尻餅どっしりさてあしなえとなったとも盲となったともいう。
そして蘭軒が一目ひとつめ小僧に遭つたと云ふ伝説がこれに伴つてゐる。事は未だあしなへにならぬ前にあるから、文化癸酉三十七歳より前でなくてはならない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
……『われわれ八十年代の人間』、『われわれ沈滞しかつ神経質な、農奴制の汚らわしき後裔』、『われわれ文明によってあしなえにされた者ら』
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大抵男子二人、若くは女子二人なるが、ねる如き早足にて半圈に動き、その間手をも休むることなく、羅馬人に産れ付きたる、しなやかなる振をなせり。女子は裳裾もすそかゝぐ。
一四二烈婦さかしめのみぬしが秋をちかひ給ふを守りて、家を出で給はず。翁も又一四三あしなへぎて百かたしとすれば、深くてこもりて出でず。
一寸二寸とまたゝうちに茎が伸びたと思ふと、最後に小さい花がぱつと開く。ゐざりを立たせた基督だつて、これ以上の不思議は出来まいと思はれる程だ。
葉子は口笛を吹きながら、しまセルの単衣ひとえすそかかげて上がって行くと、幼い時分から遊びれた浜をわが物顔にずんずん歩いた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
賞罰の条、宜しく是の如くなるべからず。譔の如き者に至りては、三生の賤士、一介の窮儒、左枝右梧さしうごするも、未だ児啼女哭じていじょこくを免れず。東塗西抹とうとせいまつ、命のけんし時のそむけるを救わず。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして今度は月がちぢまる
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
兎をやかりせんとする、さらずば天馬空を行くとかいふ詩想の象徴をや示さんとする、と公子語を繼いで云へば、ジエンナロ、否、われ等の跬歩きほなやめる處を、かれは能く飛行すと誇るなるべし