“渠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かれ86.6%
きょ3.8%
みぞ3.2%
1.3%
きよ1.3%
かの0.6%
あいつ0.6%
きゃつ0.6%
なん0.6%
ほり0.6%
ほりわり0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから硯友社けんいうしやの傾向に私が同化することが出来なかつたことを説く条に、『その癖、かれは渠等と共通な感傷性を脱し切れなかつた』
エンジンの響 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「黄金いまきょいでず——その中に五千両なかったら、——八、どうしよう、首をやるのは痛いが、不味まずい酒ぐらいは買うぜ」
地の上の足もとを見ると、彼の足場である土橋の下を、みぞの水が夕映の空を反映して太い朱線になつて光り、流れて居た。
れ唯己がまゝに鳴くなり、しかも人をして凄絶せいぜつ惋絶わんぜつならしむ、詩人の天地に於ける亦固より彼の音響なり、渠れ唯己がまゝに歌ふ、其節奏は固より彼れの節奏なり、其音響は固より彼の音響なり
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
脩辞は唯文学の形式なるのみ。然れどもきよありて始めて水の通ずるが如く思想を顕はすべき形式なき間は到底精細美妙なる審美的の観念は其発達を自由にする能はざるなり。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
手にかけたる者なれば解放ときはなせしとてすぐ音羽おとはかへさば如何なる災禍わざはひおこらんも計られず又かの親子しんしも家主を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
他の妖怪ばけものらは互いに言合うた。「あいつは、僧侶そうりょどころか、ろくに人間さえったことはないだろう。誰もそれを見た者がないのだから。ふなやざこを取って喰っているのなら見たこともあるが」
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
きゃつ一向平気で、背負っていた枯れ木の大束をそこへ卸して、旦那は絵の先生かときくから先生じゃアないまだ生徒なんだというとすこぶる感心したような顔つきで絵を見ていた。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
国歩艱難かんなんにして策いまらず、身を忘れいささ野芹やきんの誠を献ず。才うとく万事人望にたがい、徳薄く多年世情にそむく。皎月こうげつの門前にたれか石を折り、芳梅の籬外りがいなんえいを斬る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
はたは火焔のほりとなり
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
南北三百二十間、東西一百三十間、六万六千六百余坪、南北西の三方へ、ほりわりを作って河水を入れ、運漕に便しているお米倉、どれほどの米穀が入っていることか! いずれは素晴らしいものだろう。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)