“溝渠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうきょ56.8%
ほりわり11.4%
みぞ11.4%
どぶ9.1%
こうきよ6.8%
インクライン2.3%
カナル2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おそらく何人といえども、この反省の自分の行為の前に横たえる溝渠こうきょを越えることは容易ではあるまい。私の足はぴったりと止まった。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
左手にはどす黒い溝渠ほりわりをへだてて、川口改良工事第六号埋立地の荒漠たる地表がひろがっていて、そのうえを無数の鴎が舞っていた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかし細君の父と彼との交情に、自然の溝渠みぞが出来たのは、やはり父の重きを置き過ぎている手腕の結果としか彼には思えなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
Sビルディングを中心にして半径一町くらいの円の中の溝渠どぶとか塵芥箱ごみばことか、そのほかちょっと人目につかんようなところは残らず捜してくれたまえ。
五階の窓:02 合作の二 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
火を溝渠こうきよの中に焚きて食を調とゝのへたり。手に小鼓タムブリノりて、我等を要して卜筮ぼくぜいせんとしつれど、馭者は馬にむちうちて進み行きぬ。
柳沼やなぎぬまっていって……回り一里半ばかりの、小さな湖なんですけれど、水門を作ってそこから開墾地まで、溝渠インクラインこしらえてありますのよ。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
ソノ杳カナ所 燃エ煌メク深淵フカミニ難破スル オレノモロ手。擾キミダス 荊棘ヲ 暗イ溝渠カナルト人影ト死ト。ヒルガエル狂気ノ轍ト。一沫ノビテユメン。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)