“深淵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しんえん77.8%
ふかぶち6.9%
ふかみ5.6%
しんゑん2.8%
ふち2.8%
ふかきふち1.4%
ふかふち1.4%
フカミ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこには彼らをかばってくれる深淵しんえんがある。警察の方でもそれを知っていて、他で取り逃がした者をいつもパリーでさがすのである。
材木が運び始められる頃から、だれが建築をするのだろうと云って、ひどく気にして問い合せると、深淵ふかぶちさんだと云う。深淵と云う人は大きい官員にはない。実業家にもまだ聞かない。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
住職も弟子たちもみんな悪い人間ではなかったのですが、いったん悪い方へ踏み込むと、もう抜き差しが出来なくなって、だんだん深淵ふかみに落ちて行く。
半七捕物帳:66 地蔵は踊る (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わが心の深淵しんゑんに突き落されし処女ヴアジンぎんむせびをきく。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その青澄あおずんだ、底無しの深淵ふちを、いつまでもいつまでも見つめているうちに、私の目は、いつとなくグルグルと、眩暈くるめき初めました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
幾尋いくひろともなき深淵ふかきふちの上にこのたなをつりておき一条ひとすぢなはいのちをつなぎとめてそのわざをなす事、おそろしともおもはざるは此事になれたるゆゑなるべし。
みあに八島士奴美の神、大山津見の神の女、名ははな知流ちる比賣にひて生みませる子、布波能母遲久奴須奴ふはのもぢくぬすぬの神。この神淤迦美おかみの神の女、名は日河ひかは比賣に娶ひて生みませる子、深淵ふかふち水夜禮花みづやれはなの神。
ソノ杳カナ所 燃エ煌メク深淵フカミニ難破スル オレノモロ手。擾キミダス 荊棘ヲ 暗イ溝渠カナルト人影ト死ト。ヒルガエル狂気ノ轍ト。一沫ノビテユメン。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)