“ふかきふち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
深淵50.0%
峻淵50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幾尋いくひろともなき深淵ふかきふちの上にこのたなをつりておき一条ひとすぢなはいのちをつなぎとめてそのわざをなす事、おそろしともおもはざるは此事になれたるゆゑなるべし。
産終うみをはるまでの困苦こんくのために尾鰭をひれそこなやせつかれ、ながれにしたがひてくだり深淵ふかきふちある所にいたればこゝにしづつかれやしなひ、もとのごとく肥太こえふとりてふたゝながれさかのぼる。
これを見るよりむねせまり、たいまつこゝにやけおちてつなをやきゝり、たなおちてをつと深淵ふかきふちしづみたるにうたがひなし、いかにおよぎをしり給ふとも闇夜くらきよ早瀬はやせにおちて手足てあしこゞたすかり玉ふべき便よすがはあらじ。
この後が、古事記では、弟王二柱、日本紀では、竹野媛が、国に戻される道で、一人は恥じて峻淵ふかきふちに(紀では自堕輿とある)ち入って死ぬ。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)