“ふち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フチ
語句割合
縁44.9%
淵36.4%
扶持13.8%
布置1.5%
潭0.8%
辺0.5%
斑0.3%
不治0.3%
深淵0.3%
不知0.1%
俸米0.1%
側0.1%
千羽ヶ淵0.1%
敷智0.1%
椽0.1%
渕0.1%
眶0.1%
禄0.1%
端0.1%
縁端0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはたしか部屋(へや)全体はもちろん、椅子(いす)やテエブルも白い上に細い金の縁(ふち)をとったセセッション風の部屋だったように覚えています。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこに聴くことのできた話の内容は、一向に二人の関係について予備知識をもたなかった僕を、驚愕(きょうがく)の淵(ふち)につきおとすに十分だった。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
三斎公様のお仁慈は、涙のこぼれるほど欣(うれ)しい。一合のお扶持(ふち)といえ、馬(うま)の沓(くつ)を作る身には、勿体のうて、否応いえたことではない。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて不折君は余に向ひて詳(つまびらか)にこの画の結構(けっこう)布置(ふち)を説きこれだけの画に統一ありて少しも抜目(ぬけめ)なき処さすがに日本一の腕前なりとて説明詳細なりき。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
絶壁の下をのぞくと、川の水勢と精神とが清い油となつてうどみかかり、おほきな潭(ふち)となつて幾重にも渦(うづ)を卷いてゐる。このところ深さを量り得たものがないと云ふ。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
澄んだ水の流れている岩の多い、渓川(たにがわ)の辺(ふち)を通って、私達は歩いた。こんもりと繁った樹の間には、虎杖(いたどり)や木苺(きいちご)や山独活(やまうど)が今をさかりと生い立っていた。
すべて何国でも土や岩や草花など血のように赤いと血を流した蹟とか血滴(ちのしたたり)から生えたとか言い囃(はや)す、和歌山より遠からぬ星田とかいう地に近く血色の斑(ふち)ある白い巌石連なった所がある
不治(ふち)の患者の窓下(まどした)に起る樂隊の音(おと)。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
底無しの深淵(ふち)で、亡者どもが一人の死人を噛み砕く音である。
其辭(そのじ)を(七六)徑省(けいせい)すれば、則(すなは)ち(七七)不知(ふち)として之(これ)を屈(くつ)し、(七八)汎濫博文(はんらんはくぶん)なれば、則(すなは)ち之(これ)を多(おほ)しとして(七九)久(ひさ)しとす。
獄卒(らうもり)と捕吏(とりて)とは、維新前まで、先祖代々の職務(つとめ)であつて、父はその監督の報酬(むくい)として、租税を免ぜられた上、別に俸米(ふち)をあてがはれた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すると森本は倦怠(だる)そうに浴槽の側(ふち)に両肱(りょうひじ)を置いてその上に額を載(の)せながら俯伏(うっぷし)になったまま
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今、目(ま)のあたり、坂を行(ゆ)く女(ひと)は、あれは、二十(はたち)ばかりにして、その夜、(烏をいう)千羽ヶ淵(ふち)で自殺してしまったのである。身を投げたのは潔い。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
引馬野は遠江敷智(ふち)郡(今浜名郡)浜松附近の野で、三方原(みかたがはら)の南寄に曳馬(ひくま)村があるから、其辺だろうと解釈して来たが
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その時分まで、黒子の男が球台の椽(ふち)から顔をもたげないのがちょっと妙ではあった。
撞球室の七人 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
兇行は昨夜八時頃より今暁(こんぎょう)四時頃までのあいだに仕遂げられたらしく、磯貝は銘仙(めいせん)の単衣(ひとえもの)の上に絽(ろ)の羽織をかさねて含満(がんまん)ヶ渕(ふち)のほとりに倒れていたり。
慈悲心鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
目の眶(ふち)も赤らむまで、ほかほかとしたと云う。で、自分にも取れば、あの児にも取らせて、そして言う事が妙ではないか。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼様(あんな)狒(ひゝ)見たいな狂漢(きちがひ)に高い禄(ふち)遣(や)つてフザけさせて置く奴も奴だが、其れを拝み奉る世間の馬鹿も馬鹿だ、侯爵が何だ、大勲位が何だ、人をツケ——
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
晩(ばん)まで掛(かゝ)つて漸(やうや)く土器(どき)の端(ふち)でも磨(す)つたらしい石(いし)と、把手(とつて)の平凡(へいぼん)なのを二三箇(こ)得(え)たばかり。
ところがその娘が或る日、崖の縁端(ふち)を散歩しているうちに突然に強い力で突落された。
書けない探偵小説 (新字新仮名) / 夢野久作(著)