“ばた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:バタ
語句割合
47.6%
16.7%
7.1%
4.8%
4.8%
4.8%
牛酪2.4%
2.4%
2.4%
2.4%
2.4%
2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしそのうちうちの外側を七分通りまわって、ちょうど台所の裏手に当っている背戸せどの井戸ばたまで来ると、草川巡査はピタリと足をめた。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
本陣の前の屋根のある風呂小屋が一ヵ所見えたが、後は往来ばたにあって、誰が入浴はいろうと怪しむ者はない。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私の記憶によれば、この父の代ですらなほ家運隆盛な一時期もあつて、ひところ四五十台の機械ばたを動かした頃なぞが目に浮かぶ。その頃は恐らく全町の機屋でも屈指の盛運にあつたのだらう。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
五人の湯治客が囲炉裡ばたで、片耳のない武士の話をしていると、表戸を蹴開き十数人の捕り方が混み入り「三国峠の権という盗賊この家に潜みおる、からめ取るぞ」
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
新墾にひばり小野をののあらきばたくさくだものの
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
私の故郷くには瀬戸内海のうみばたで、ヂストマと懶惰漢なまけものと国民党員の多い所だが、今度の総選挙では少し毛色のちがつた人をといふので、よその県で余計者になつた男をかつぎ込み
毎朝両方で二升位取れるのださうで、みんなで飲めるだけ飲んだ余りを溜めといて牛酪ばたなぞにするのだと言はれる。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
牛酪ばたはお厭ぢやないでせう? ぢや入らつしやいよ。一度だけですよ。もうお夕飯からは厭でもあなたがすつかりなさらなけやならないのだから。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
すると県境けんざかいの河を渡ってくる葬式があった。数名の男がひつぎをかつぎとむらばたを持って、彼の側をすれちがった。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法外な精神が、ある瞬間にはびくともせず静止し、次の瞬間には、残りなく羽ばたいた。年とって、再び彼女の美は、人々を征服した。再び彼女の魅惑力は、避け難く人々の反応を呼び起こした。
もやひたるボートの 赤き三角ばた
無題 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
ある夜も葉子は、山路と一緒に大川ばたのある意気造りの家の二階の静かな小間で、夜更よふけのの音をきながら、芸術や恋愛の話にふけっていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
祖父おほぢよりひさしくここに住み、田ばたあまたぬしづきて家豊かに暮しけるが、生長ひととなりて物にかかはらぬさがより、農作なりはひうたてき物にいとひけるままに、はた家貧しくなりにけり。