“かたへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
71.1%
13.2%
傍邊2.6%
一方2.6%
方江2.6%
2.6%
片邊2.6%
近傍2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
智恵子は、自分がその小川家の者でない事を現す様に、一足後へ退すさつた。その時、かたへの静子の耳の紅くなつてゐる事に気がついた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その城壘じやうるゐたりしと寺觀たりしとを知らず。今の街道はその廣間を貫きて通ぜり。かたへなる細徑を下れば、小房の蜂窠ほうくわの如きありて、常春藤きづた石長生はこねさうとは其壁を掩ひ盡せり。
とら勾引かどはかさんとなす事ぞと寢ぼけ眼に立上りおのれ曲者くせもののがさじと聲を知るべに打掛れば彼の曲者くせものは驚きながら見付られては後日のさまたげムヽと點頭うなづき傍邊かたへに落し松の小枝こえだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
受取て親父樣無事でと打分れ江戸の方へぞ急ぎける斯て九郎兵衞は二人のくびを切落し傍邊かたへに小高きをかの有しかば小松こまつの根をほりうづめ又死骸の傍邊へは彼盜し紙入かみいれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
りつなぐさめつ一方かたへこゝろかせんとつと一方かたへ見張みはりをげんにしてほそひも一筋ひとすぢ小刀こがたな一挺いつてふたかれさせるなよるべつしてをつけよと氣配きくば眼配めくば大方おほかたならねば召使めしつかひのものこゝろかぜおと
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
初は「麹町二本ふたもと傳次方江かたへ同居」と云ふことになり、後「傳次不勝手に付金澤丹後方江又候またぞろ同居」と云ふことになつた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「カツプチノ」僧は蝋燭に火をうつして挽歌をうたひ始めたり。マリウチアは我をきて柩のかたへに隨へり。斜日ゆふひおほはざる棺を射て、母上のおん顏は生けるが如く見えぬ。
見廻せば片邊かたへに女のたふれ居てあけそみ息も絶たる樣子やうすなりとて憑司ははたと手を打是と云も元は傳吉からおきたこと然らば此死骸しがいへ昌次郎お梅が着類きるゐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
漸くにふみしめ勝手かつて屋根やねいたらんとするをり思ひも寄らぬ近傍かたへまどより大の男ぬつくと出ければ喜八はハツと驚き既に足を踏外ふみはづさんとするに彼の男は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)