“心”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こころ39.6%
しん34.8%
こゝろ15.1%
シン2.2%
むね2.1%
ごころ1.7%
ごゝろ1.1%
こヽろ0.4%
うら0.4%
ここ0.4%
ハアト0.4%
ハート0.4%
こゝ0.1%
0.1%
じん0.1%
すん0.1%
つもり0.1%
はあと0.1%
みこゝろ0.1%
むなもと0.1%
エスプリ0.1%
ココロ0.1%
コヽロ0.1%
ゴリ0.1%
サーラ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしやうやくほつとしたこころもちになつて、卷煙草まきたばこをつけながら、はじめものうまぶたをあげて、まへせきこしおろしてゐた小娘こむすめかほを一べつした。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
乳牛はすこしがたがた四を動かしたが、飼い葉をえて一しんいはじめる。花前は、いささか戒心かいしん態度たいどをとってしぼりはじめた。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
四谷よつやとほりへ食料しよくれうさがしにて、煮染屋にしめやつけて、くづれたかはら壁泥かべどろうづたかいのをんで飛込とびこんだが、こゝろあての昆布こぶ佃煮つくだにかげもない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日想観において観じ得た如来の姿を描くとすれば、西方海中に没しようとする懸鼓の如き日輪を、シンにして写し出す外はない。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……ここをいうのだ、茶屋の女房の浅黄縮緬のちらちらなぞは、突っくるみものの寄切よせぎれだよ、……目も覚め、むねみようじゃないか。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二人ふたりは、はゝ父母ふぼで、同家ひとついへ二階住居にかいずまひで、むつまじくくらしたが、民也たみやのものごころおぼえてのちはゝさきだつて、前後ぜんごしてくなられた……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
中の巻の発端に「かゝる親には似ぬ娘、お夏は深きぬれゆゑに、菩提ごゝろと意地ばりて、嫁入もせいものび/\の」………と書出かきいだして、お夏に既に恋ある事を示せり
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
待給まちたま諸共もろともにのこヽろなりけん、しのたまはりしひめがしごきの緋縮緬ひぢりめんを、最期さいごむね幾重いくへまきて、大川おほかわなみかへらずぞりし。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
枕に就くと、今日位身體も心も急がしかつた事がない樣な氣がして、それでも何となく物足らぬ樣な、うら悲しい樣な、恍乎ぼうつとした疲心地つかれごゝちで、すぐうと/\と眠つて了た。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして暗く静かなそのころの堺筋さかいすじへ出て夜半と元朝がんちょうここちよく冷たい静寂の空気を味わうのであった。ところがなかなか父が起きて来ない。
最も自然に無邪気インノオセントなるべき諧調のうちに含まれるハアトを披瀝した宗教的気分が、かすかな指の狂いに乱さるる所が往々にしてあった。
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ハートの問題でイタリーへやって行くこと、ブラウンの家へ足を留めたときはすでにその情熱にかかっていたこと、それからのがれようと試みたこと、しかし自分の力は及ばなかったこと
よもや植木屋うゑきや息子むすこにてはあるまじく、さりとて住替すみかはりし風説うはさかねばほかひとはずなし、不審いぶかしさよのそここゝろは其人そのひとゆかしければなり、ようもなき庭歩行にはあるきにありし垣根かきねきは
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「それで、彼奴きゃつの下役が、紀州へ行かぬ内に、何か、贋者だという証拠品をこしらえておいて、使が行ったなら、それをつかませて戻してもらいたいが、の利いた、口の固い者を一人、二人——」
大岡越前の独立 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
じんだから」と云つた。今迄いままで日のとほんだ空気のしたで、うごかしてゐた所為せゐで、ほゝところほてつて見えた。それが額際ひたひぎは何時いつもの様に蒼白あをしろかはつてゐるあたりに、あせが少し煮染にじした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「あは」彼女は感動の余り嗚咽おえつした。「妾の春雄が、ほんとうに……妾をすん配すると……云ったでしょうか……」
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
河原から上がって、彼を追うと、お杉隠居も、もしお通が逃げるつもりではないかと狼狽あわてだしたように、すぐ後ろから駈け上がってゆく。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふたはあと」とか「はあとくずし」とか「新紋形二つはあと」とかいうような人情本臭い題名であって、シカモこの題名の上にふたどもえの紋を置くとか
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
上は則ち乾霊あまつかみの国を授けたまふうつくしびに答へ、下は則ち皇孫すめみまたゞしきを養ひたまひしみこゝろを弘めむ。然して後に六合くにのうちを兼ねて以て都を開き、八紘あめのしたおほひていへむこと、亦からずや。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
かくて餘物よぶつるや。みな丘山きうざんもたゞならず、すなはみづかる。るにしたがうて、𥶡りんこと/″\むしむなもとつらぬく。もつ飛衞ひゑいぐ。先生せんせい高踏かうたふしてつていはく、汝得之矣なんぢこれをえたり
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また思ふに、かれのエスプリはあたらしい!
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
ココロ」のコは「許」を書いて「古」は書かないというように、あらゆる「こ」を含んでいる語が「許」を書くか「古」を書くかの二つに分れている。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
ツヒ悠々ユウ/\タル行路コウロコヽロ——とやか!
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
和名鈔に淡路國津名郡都志(豆之)郷あり、此島は天日槍命に縁あれば、此の都志も但馬の出石に縁ありて、イヅシの省略なるべしとの説あり。牛利ゴリゴリの義なり。
卑弥呼考 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
沙邏はサーラの音譯だと、吾輩は信ずる、いづれにしても、其の贅澤の程が推察せらるゝ次第であるが、しかし、大唐天子の贅澤である、かゝる位のことは怪むに足らない、この大唐天子の帝師となり
大師の時代 (旧字旧仮名) / 榊亮三郎(著)